センテンス・オータム

ディープ・マニアック・鋭く「DMS」 様々なアレについて... (シーズン中は野球ネタ多し)

さながら、永遠にBL学園‥

なんだか最近、岩本勉の解説が妙に心地よい....

 

 

先日の北海道日本ハム福岡ソフトバンク戦でのこと。今季、中田翔に「キレ」がないのは基礎練習不足。ウォームアップで今でもダッシュを繰り返す、千葉ロッテの大ベテラン・福浦和也を見てみぃ‥‥と。もし、これを本人が耳にしたらぐうの音もでないだろう。

同じ試合、好機に一度もバットを振らず、見逃し三振でベンチに戻ってきた某若手選手に対し『そんなところに座っとらんで、悔しかったら裏で素振りしてこい!』

‥なんかこう、昭和のオヤジ的というか。見た目も口調もスマートな評論家が多い昨今、感情まるだしな解説をする、明らかに川藤幸三とか達川光男寄りな岩本‥。昭和生まれのオレには、やっぱりたまんないねぇ。最高のエンターテイナーだ。選手としてはイマイチだったけれど(苦笑)

 

 

この岩本の解説を聴いていて思い出したのだが「悔しかったらバット振ってこい!」的なノリ?普通はこうだったよなと。これでぶん殴られたりしたら、選手はたまったもんじゃない‥‥というのは、PL学園野球部の話。

新入部員を受け入れず、現在は「休部」扱いとされている。部員わずか12名で戦った昨年の“ラストゲーム”はPLOBも大挙して球場に駆けつけるなど、大きな注目を集めた。

 

しかし不可解である。数多の栄光をつかんだ伝統ある野球部が、そうした事態になってしまったのはなぜか‥。傍からはPLに憧れ、実際にPLのユニフォームに袖を通したい球児など、全国にいくらでもいそうなものなのだが‥。

柳川悠二著【永遠のPL学園 六0年目のゲームセット】を読んで、ある程度その疑問は氷解した。

 

 

永遠のPL学園: 六〇年目のゲームセット

 

 

一言で表現すると、ヤバい‥‥

 

PLではなく、ここは「BL」だ。かぎりなくBLACK。上級生が些細なことで下級生をパイプ椅子で殴りつけたり、以前には、なんと死亡事故まで起きているという。同校OBの木戸克彦氏の言葉として

 

PLの伝統に誇りを持っているけれど、悪いことも続けたからね‥‥それが今の状況を招いたのは確かでしょう

 

ここでいう『悪いこと』とは、度重なった暴力事件のことを指している。「暴力」が、長年まかり通っていたというのだから、本当におそろしい野球部だ。そもそも一年生は「奴隷」呼ばわり、二年生になってようやく「平民」に繰り上がり、三年で「神様」なんだとか‥。

 

くだらない。こんなところ、頭を下げられても絶対に行きたくない。どうして野球をするのに、暴力を振るわれなきゃいけないんだ?そうでなくても、なんで「奴隷」のように扱われなきゃいけないんだ?

そら自分だって、グランドを何周も走らされたりといったことは野球部時代にあったけれど、部員の間での暴力沙汰は、一度もなかった。それがもし「伝統」なのだとしたら、明らかにおかしい。狂っている。『走ってこい』『バット振ってこい』に、愛はあっても、理不尽な暴力に愛などあるわけがない。

 

‥考えてみれば、いかに上級生から暴力を受けないように「優等生」に徹してきたのが、桑田真澄宮本慎也といったあたりのタイプ。‥そいつらを蹴散らしてでもと、常に反逆な精神をぎらつかせていたのが清原和博立浪和義に代表される「ヤ○ザ」タイプとで、OBたちが“二極化”していたのも、よく頷ける。

 

 

本書は「PL学園野球部は、我々の心に永遠に刻みついている」といった体だが、私はまた別の意味で捉えている。PL学園野球部は、永遠に葬られるべきだーー

 

明るみになっていないだけで、闇に埋もれている悪事は、まだまだありそうだ。それは本書を読んでいれば、容易に想像ができる。むろん、本でも取り上げられ“ラストゲーム”を戦った球児にまったく罪はないが、おぞましいPL学園野球部の「体質」を知った所存。

 

 

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