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センテンス・オータム

ディープ・マニアック・鋭く「DMS」 様々なアレについて... (シーズン中は野球ネタ多し)

「由美子へ」 ー吉田公子ー

ちびまる子ちゃん」か、それとも何か他のアニメだったか、失念してしまったのだけど(こんなのばかりで申し訳ない)、田舎がほしい‥‥そういった回があった気がする。

要は、今のような盆時期に“帰る”場所が欲しかったという、子供ゴゴロを描いた内容だ。

 

まるちゃん(仮)の気持ちはよくわかる。僕にも、“帰る場所”がなかった。だから、夏休み明けなどに、どこどこの田舎でお祖母ちゃんに会ってきた!こういった類の話ができる級友たちが、いつも羨ましかった。

‥イナカとは、どんな所なのだろう。つい、ジブリ映画の中に出てきそうな壮大なワンシーンを脳内で思い描いてしまうが、案外“普通”なのかもしれない。いずれにせよ、今の住処以外に帰れる場所がある人たちは、幸せなことだと思う。

 

 

そうした安住な場所へ向かっていた乗客が多かったと訊く。日航ジャンボ墜落事故から、きょうで31年‥‥。

“帰る”ことができずに、まして縁もゆかりもないであろう、群馬の山中で強引に“降ろされる”なんて、乗客はおろか、帰りを待っていた人たちも含めて、誰一人、想像すらしていなかったに違いない。この母娘もまた、当該事故によって再会が永遠に叶わなくなってしまった。

 

北原遥子(きたはら・ようこ)。生前は女優として活躍され、宝塚歌劇団にも所属していたことがある。本名、吉田由美子さん。

 

昭和時期に活躍したようなスターを、「綺麗」とか「可愛い」などと感じたことは数えるほどだ。当時の流行があのメイクや髪型、ファッションだったわけで、今を生きる自分の感性にフィットしないのは、必然の成り行きなのかも知れない。

 

しかし、北原遥子‥。彼女だけは、ちがった。30年経った現在も、彼女は美しいままだ。‥むろん、24歳という若さで亡くなったのもあるけれど、彼女の美貌は何も若さによるものだけではない。現代でも、立派に通用する美しさなのだ。

 

 

 

由美子へ

 

当初は事故への関心の高さから手に取った本だったが、事故についてはほとんど触れておらず、母・公子さんが愛娘の生前の記憶を辿ったものが主である。

彼女を収めた何枚もの写真の中で、事故当日に身に着けていたとされる「遺品」の画像だけが、目を伏せたくなった。そこには、刻印がなされた黒焦げの「指輪」もあった。

 

恋人がいたかどうかは本人の口から知らされていなかったという公子さん。もしかしら、恋人に会いに行くための搭乗だったのでは‥‥。でも公子さんは、その見つかった指輪のことを、いたく喜んでいた。

娘にもそういった人がいてよかった。「恋愛」も知らぬまま、逝ってしまったのでは、あまりにも可哀想だからと。‥本の中にいる美しいままの彼女は、優しく微笑んでいる。氷づけにされた天使の美しさは、永遠だ。