“お約束”の番組放送終了10分前【サライ】の大合唱がされる中での感動ゴール‥。
林家たい平師匠には悪いが、武道館の前まで着いて立ち止まり、集まった方々に頭を下げていた健気なシーンも、なんだか時間合わせのようにも思えてしまった。無論、100キロの道のりを走り終えた当人に、そこまでの余裕はなかっただろうけれど。
‥しかし、私も長年の笑点ファンとして云わせてもらえば、やせ細った林家こん平師匠をテレビに出さすのは、もう止めていただきたい。笑点現役時代は「元気」が一番のウリだった師匠。見ていて、逆に辛くなる。
チャリティ大喜利では、相変わらず「独り身」自虐ネタを前面に出していた春風亭昇太。実生活では今をトキメク女優Yと、ロマンスが噂されているというこの矛盾を、我々はどう受け止めればいいのだろうか。
‥と、筆者が笑点を語りだすと長くなってしまうので、そろそろ本題にいこう。
夏の風物詩【24時間TV】については、昔から様々な議論がなされてきた。自身の番組の中で「ギャラ」問題に言及したダウンタウンで芸人には懲りたのか、ここ十数年間、番組パーソナリティをずっと担っているのは、ジャニーズ勢を中心としたアイドルたちである。困ったときはジャニーズ‥‥これは近年の紅白歌合戦の司会者にも云えることだ。
24時間テレビWithジャニーズで、個人的に印象深かったのが、スマップの回。もう21年も前の話だが、メンバー6人(当時)が、おのおの思い入れのある誰かに向けて手紙を書き、それをステージで読み上げるという、エンディングに相応しい企画があった。
トリは、もちろん木村拓哉である。なんと彼が宛てたのは、キムタク‥‥「自分自身」だった。
他のメンバーが世話になった身内などに宛てているのに対し、自らを「客観的」に見つめた、あの“オンリーワン”なインパクトは強烈で、だから、未だに憶えていた。
‥気になり、全文が紹介されているサイト(※1)があったので、あらためて目を通すと、21年前の若き日のキムタクは、こんな言葉を紡いでいたらしい。
おまえさぁ、本当にSMAPの一員でよかったな
おまえ以外の5人がいなかったら、今頃きっと何でもない、つまらないヤツだったと思う
ライバルでもあり、パートナーでもあるメンバーがいたからこそ、今おまえは「キムタク」なんて呼んでもらえるんじゃねぇか?
“21年後のキムタク”が、これを読んだら、はたして何を思うだろう。「内部分裂」によってグループ解散という結論に至った、今の木村拓哉がこの手紙を読んだらーー
人間に永遠なんて、存在しない。20年以上にもわたって「トップアイドル」で在り続けた自体、むしろ“奇跡”なのかもしれない。終焉の仕方は、決して美しくはなかったけれど『よくやった』『これまで感動をありがとう』と、賛辞の声の一つや二つも、彼らに送ってあげるべきではないのか。
きっと、いつかは解散する今年のNEWSのメンバーを見ながら、遠い昔のキムタクと‥SMAPの記憶を手繰り寄せる、私であった。
(※1)≪95「24時間テレビ18 愛は地球を救う」100通の手紙≫より