気の早いところでは、そんなふうに云われている。こればかりは、まぁ既定路線というか、日ハム入団に際する条件の中にも盛り込まれていたのだろうから、致し方ないけれども、希望的観測を云わせてもらえば、2019年まではなるべく日本にいてほしい。
7年間、日ハムでプレーしてくれたら、ダルビッシュ有や東北楽天にいた田中将大の在籍期間と同じになる。‥海外FAの抜け道、いくらポスティングシステムを利用するにしても、この7年という年月がひとつの目安となるのではないか。
今現在、明確なルールはないが“暗黙の了解”のようなカタチで、選手間でも定着すればいいと思っている。7年いても、翌年26歳‥。イチローにいたってはプロ生活10年目で海を渡った。遅すぎるということはなかろう。
万が一、想定していた時期よりも早く、大谷がメジャーに行くとなったら、戦力的な部分はおろか、興行面においても大打撃を受けてしまうが、日ハムには「ウルトラC」がある。それは、
ダルビッシュ有の帰還だ
レンジャーズとの契約期間は来期で終える。仮に一部報道のように、大谷が再来年にメジャー移籍するとしても、入れ違いで、ダルビッシュがハムに復帰し、背番号「11」をふたたび身にまとったら‥‥
これは、もはや「ドラマ」である。『ダルビッシュさんが向こうに行ってる間は、僕が11番を付けさせてもらいました。ダルビッシュさんに代わって今度は僕がメジャーに行きますが、ファイターズをお願いします』 『おぅ、任せとけ!』
そんなやり取りが両者の間で交わされたと、想像をしただけで、ゾクゾクとしてしまう。‥‥無論、筆者が勝手に云っているだけの「ウルトラC」であるが、可能性としては、近い将来、十分あり得るだろう。
金満球団の札束攻勢にも、ダルビッシュは、きっと動じない。待ってくれているファンのありがたさ、入団時から常々口にしていたファンへの感謝の想い‥‥金よりも大切なものを、彼は分かっているからだ。「黒田的」な選択をしてくれると、願っているのではなく、ファイターズファンなら誰もが信じている。
メジャーに行った選手の大半は、国内プロ野球に復帰する際、「古巣」を選んだ。帰還を約束しながら果たせなかった城島健司のケースもあるが、あれはソフトバンク側が獲得に熱意を見せなかったから。古巣が獲得を望んでいるのに、それを振った選手は、私自身は過去に、中島宏之(現オリックス)くらいしか知らない。
‥したがって“渋ちん”な傾向がある日ハムに、どこまで金が出せるか不安がまったくないこともないが(さすがに1億2億というわけにはいかないだろうし)、そこは「大谷マネー」で何とか補って頂きたいところ。
超人たちが紡ぐ「背番号11物語」に、これからもファンは夢を見、酔いしれ続けるーー