センテンス・オータム

ディープ・マニアック・鋭く「DMS」 様々なアレについて... (シーズン中は野球ネタ多し)

「高梨vs茂木」 勝つのはどっち?

少し前まで、日本シリーズ終了後に今年度のリーグMVPと新人王が発表されるのが通例だったけれど‥‥最近はずいぶんと引っ張る(笑)

 

 

セ・リーグは判らないが、パ・リーグのMVPは、これはもう、大谷翔平のものと見ていいだろう。

ご存知のように、彼は今季主要タイトルを獲得しておらず、規定打席にも、規定投球回数にも達していない‥。そういった選手が最優秀選手賞受賞となれば、一部のリリーバーを除き、前代未聞の快挙。大谷はまた新たな伝説をつくったことになる。

 

次点は、おそらく本塁打王のレアードあたりだろうが、大差は必至。やはり、「二刀流」のインパクトはあまりに鮮烈、そして強烈だ。

投票で決められるタイトルにかんしては、私はこの“インパクト”の大きさが重要であると、常々感じていた。世にどれほどの衝撃と、感動を与えられたか‥。

 

顕著にそれが見てとれたのは、1981年。ファイターズが東映以来、19年ぶりとなるリーグ優勝を飾った年のMVPは、広島から移籍してきたばかりの江夏豊だ。

同年の江夏の成績をみると、3勝6敗25セーブで、防御率が2.82。‥こういっちゃなんだが、いたって普通。せいぜい「並」程度。

試合数や起用法が当時とはだいぶ異なることから、一概に現代野球と比較できない部分もあるが、それにしたって負けが多すぎるし、3点に迫ろうかという防御率は、現代なら、失格の烙印を押されていてもおかしくない。事実、特に春先は逆転を許してしまうケースも度々見受けられた。

 

たしかに、後半は巻き返して、チームの後期優勝には貢献したものの、優勝候補から一転、チ-ムが4位にまで沈んだ前期の戦犯は江夏、とまで云われていた。成績だけを見て、まっとうな評価がなされるのであれば44本塁打、108打点で「二冠王」のトニー・ソレイタ、あるいは15勝0敗の「無敗男」、間柴茂有といったところか。

 彼らを差し置き、江夏が(あの成績で)MVPを受賞できたのも、インパクだ。「優勝請負人」と謳われていた江夏が来て、本当にチームが優勝した‥このインパクトのデカさが、絶大すぎたにちがいない。なお、翌1982年もファイターズが連覇を果たしていたら、江夏MVP(広島時代から数えると3年連続)の線が、濃厚であった。

 

 

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親戚に一人いそうなおじさん?33歳当時

 

 

インパクトという部分に焦点をあてると、新人王レースは混迷だ。高梨裕稔と東北楽天・茂木栄五郎、両者の「一騎打ち」な様相を呈しているが、いささか高梨の方が、分が悪い。

ルーキーの茂木に対し、高梨はプロ3年目。‥まだ、この点は良いにしても、何せパでは1998年の西武・小関竜也以来、実に18年ぶりとなる「投手以外」の新人王の期待が、周辺で高まっている。茂木も規定打席に達し、それに相応しい成績を、今季残した。

高梨も二桁勝ったとはいえ、シーズン途中からの先発転向で、規定投球回数には達しておらず、最大の“アピール”の場となり得たポストシーズンでも、決め手には欠いてしまった印象。

投手と野手で比較はしづらいが「インパクト」の差で、茂木に軍配が上がる可能性が高いと筆者は見ているが、はたして結果はーー