センテンス・オータム

ディープ・マニアック・鋭く「DMS」 様々なアレについて... (シーズン中は野球ネタ多し)

【ある老人の主張】 ーずっと栗山に付いていきたくなったー

出版界の愛子様‥‥とは、勝手に私が今名づけただけであるが、佐藤愛子氏著の【九十歳。何がめでたい】が注目を集めているそうだ。

 

大正十二年生まれ、御年92歳の大作家。センテンススプリング(※1)では、そのように崇められていた。最近はお年寄りのブロガーも増えているらしく、ネットを駆使し、日々の想いや出来事を発信する体は、若者の目にも「生きた教材」として映るようだ。経験は何物にも代えがたい。たしかに、私にはあの方々のような文章は書けない。‥別に真似したくもないが。

 

しかしながら、今のお年寄りは元気である。奇しくも同じ号のセンスプに、若尾文子(82)のインタビュー記事が載っていた。彼女が現代の若者をも虜にしている‥‥。もちろん、若かったときの彼女を指してのものであるが、たしかに、そこにある澄ました彼女の姿は、どれも美しい。若尾氏自らが選ぶ「出演作品ベスト3」という企画は、ファン必見であろう。

 

 

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話は逸れるが、先日、ひとりのお年寄りが、やたら気になった。今月15日に都内で行われた外国特派員記者会見。そこへファイターズを日本一に導いた栗山英樹(55)が、呼ばれた。

記者のほとんどが大谷翔平の起用法についてや、今季の戦いぶりついて尋ねるなか、会見も終盤に差し掛かったころに「経済ジャーナリスト」を名乗る‥‥こういっては失礼だが、見るからに場違いのところに来てしまったような老年の日本人男性が、素直すぎる疑問を栗山にぶつけたのだ。

 

 

もうどうしようないんですかねぇ??

 

斎藤佑樹のことである。

 

歯の一部が抜けているのか、フガフガとした口調。よく聴き取りづらいが、男性は「ハンカチ王子」といっているようだ。今でも彼をそう呼ぶ人は、ファイターズファンでもあまり遭遇しないが、どうやら早実時代からのファンであった模様。

 

若手育成に定評のある北海道日本ハムにあって、どうして斎藤佑だけは、いつまでもダメなのかーー

監督も苦労して(斎藤を)使っているとしながら、自ら“厳しい”とした直球な質問。外国人が今季0勝の彼を気にかけてくれているなら、むしろ光栄なことだが、言ってしまえば、単なるハンカチ王子の1ファン。これにはおもわず栗山も苦笑いだ。

 

だが、栗山は真摯に応えた。『彼は勝ち方を知っている』『一軍で経験を積ませたい』『斎藤(の力を)を信じている』。斎藤やファイターズのファンなら、これまで何度も耳にしてきた言葉であるが、あらためて斎藤佑に対する想いや願いを、全世界に向けて「発信」した。

 

私は、いいなぁと思う。つくづくブレない監督。あぁした会見の場でも野球の神様がどうだとか云ったり(苦笑)、ハンカチ贔屓でいることも包み隠さず話す、指揮官‥。

彼のような上司がいたら、ずっと付いていく。栗山英樹という男を監督に持つファイターズナインは、本当に幸せだと感じる。見てきたなかでも、栗山がベストな監督だ。私は胸を張ってそういえる。

 

栗山という、よき上司を持ち、畑違いの老年ジャーナリストにも目をかけてもらっているのだから、斎藤よ、一刻も早い奮起をーー

  

(※1)週刊文春 11月3日号[雑誌]