センテンス・オータム

ディープ・マニアック・鋭く「DMS」 様々なアレについて... (シーズン中は野球ネタ多し)

卑屈にみた、映画 【オデッセイ】

エウロパに地球外生命体がいる‥‥

 

 

昨年とある雑誌で偶然知ったのだが、私にとっては、驚愕の“新事実”だった。

もちろん今の段階では「仮説」である。しかし、木星第二衛星のこの星には、地球の海とよく似た水域が存在し、何かしら生物がいる可能性も極めて高いという。

 

賢者は「何を今さら」と思われるかもしれない。が、筆者は人並み以上に宇宙について関心があるとはいえ、決して専門的な知識は持ち合わせてはいなかった。そこを念頭に置いたうえで、これから綴ってゆく文章を読んでほしい。

 

 

まず何に驚いたか‥無知な私は、生物存在の可能性一番手は、やはり「火星」だと思い込んでいた。正しくは火星ぐらいしかありえないだろうと‥。かつて“水”があったような痕跡があったといわれているし、太陽光が届き、わずかながら大気も存在する‥。いわば地球とそこまで環境に大差はない。

したがって、火星には宇宙人などの生物がいても不思議ではないという、浅はかな考えに行きつく。これは私だけでなく、大昔から云われてきていることで、現実、火星を舞台にしたSF映画が過去にも多くつくられている。それだけたくさんの人たちが火星という星に、淡い夢を抱いてきた。

 

その“思い込み”が、すべて覆った。地球外生命体が存在するのは、火星ではなくエウロパ‥‥。記事を目にした瞬間から、私のなかで火星は“格下げ”となった。 

 

 

こうした経緯から、エウロパを取り上げた作品、タイトルそのままの【エウロパ】をDVDレンタル“第一候補”としていたのは、以前に触れた。

だが、行きつけのショップでは、残念ながら取り扱っていなく、他のものを品定めしていたら【オデッセイ】を発見する。一昨年、アメリカ合衆国で公開。マット・デイモン主演。不測の事態によって火星に取り残されてしまう、宇宙飛行士の話だ。

‥レンタル解禁となった模様。もはや「火星熱」など冷めてしまった私は、“仕方なく”これを手に取った。

 

 

 

オデッセイ(字幕版)

 

 

【オデッセイ】を観ていて、大事なことに気づいた。

それは、地球人が地球以外の星に移住できるとしたら、やはり火星であったということ。水があり、他の生命があったとしてもエウロパに人間が移り住むことは、120%不可能。しかし、火星ならできるかもしれない。

‥無論、越えなけれなばならない障害はいくつもあるが、その障害と必死に「格闘」する様が、本作品いちばんの見どころといってもいいだろう。

 

水を人工的につくり、食物をつくり、地球にいる人たちとの通信を、なんとか試みる。かぎりある資源、物資をやり繰りしながら、救出を待つ主人公。「永住」は無理にしても、短期滞在なら、あるいは可能なのかもとしれないと‥NASAが誇る最新鋭の技術が、そう思わせてくれる。

 

 冒頭のシーン以外、特段生死に直結するような場面もなく、少々“出来すぎ”な感はあるが、あくまでコメディ。そこまで真剣になって観る必要はないけれども、火星での彼の生活ぶりといい、困難の乗り越え方は、まさに迫真といった塩梅で、研究者や“ツウ”からの評価も高かったそう。

 

 

火星の様子は、岩石がもっと多いイメージがあった。地球の砂漠に似た、アキダリア平原は、実在するらしい。“屋内”で健気にジャガイモを栽培する主人公‥。肥料に用いたのは、なんと人糞。しっかり、同乗していた女性のソレを使っていたのには、笑ってしてしまった。極限な「外」の環境を忘れるくらい‥そこだけがまるで、別世界だった。