センテンス・オータム

ディープ・マニアック・鋭く「DMS」 様々なアレについて... (シーズン中は野球ネタ多し)

センテンス・ベースボール(長文・超動画)

今はフェイスブックが全世界的に普及して、繋がった旧友や前の職場の同僚と会ったりする、なんて機会も以前より増えたと思う。

‥筆者はフェイスブックをやっていないからそういったことはないのだが、道端で偶然会ったりは、今後あるかもしれないし、今までも数回あった。このようなシチュエーションにおいて、筆者がいちばん返答に困ってしまう質問が‥『お前、今なにやってるの?』だ。

‥まぁ、美容室などでもおなじみの、比較的入っていきやすい切り口ではある。しかし、現状何者にもなっていない‥正確には何者にも“なれなかった”自分を鑑みると、いささか返答の仕方に窮してしまう。

筆者の世代的に、たとえば『私も結婚して、今や一児の主婦よ』なんて女性が言えば、相手も『おー!お前も母親になったかぁ‥』そんなふうになって、おそらく会話もポンポン弾んでいくのだが、あの頃から見かけも立場も中身も‥さして変わっていない自分が、なんだか急に情けない人間に思えてきてしまう。

 

それで仕方なく「今は名もなきライターです」などと軽く笑いを取ってはぐらかすことを試みるのだけれど、やはり、向こうの反応は鈍い。「いい歳して、お前それはないだろう(苦笑)」そう顔に書いてある。

きっと哀れんでいるのだ。当然のごとく会話はあまり弾まない。夜の世界では、相手の職業を尋ねることはご法度とされている。 私もそれを心得ているから、久しぶりに会った人や初対面の人間に対して仕事云々の話は、自分からは切り出さない。

活字の世界では何者にでもなれるのに、リアルで何者にもなれない自分が、余計にもどかしい‥。物書きなら、一度くらいはこうした挫折感を味わったこともあるのではないだろうか。

 

 

ワールドベースボールクラシック

 

‥気を取り直して筆者の得意分野である、野球の話をここからしよう。

WBCに関しては、さほど熱をあげていないが、さすがに初戦のキューバ戦はテレビ観戦した。野球大国が相手ということで、もう少し白熱した試合を見せてくれると思ったら、なんのスリル感のない凡戦‥。日本で使い物にならなかったセペダが3番に入って、目を引くような大したピッチャーもいない。‥キューバの力も落ちたもんだ。

力が落ちたといえば、目下一次ラウンド敗退の危機に陥っている韓国。せっかくの地元開催で、向こうの野球ファンは何を思うのだろうか。北京五輪での金メダルで、運を使い切ってしまった印象さえある。

個人的には、放送席にいた原辰徳の自然体っぷりが一番よかった。則本は国際大会向けのピッチャーではない‥投手起用について監督の意図が解らない等々‥‥こんなに毒吐く人だったっけ原サンよ?と。でも、確かに則本昂大という投手は不思議な男だ。全米打線を無安打に押さえたこともあったかと思えば、キューバの9番打者に直球を簡単に弾きかえされるのだから。

 

 

原点―勝ち続ける組織作り

 

 

◇世紀の恋

 

原政権時代の巨人で、中継ぎエースとして活躍した越智大祐(33)。彼の近況が先日のセンテンススプリングに載っていた。

昨年、失格処分を受けた3選手より、先に現役を退いていたとはいえ、この元投手のオチぶりには、誠に驚かされた。‥もし、ここで掲載されていたことがすべて事実だとしたら、彼はたいへんな詐欺師である。

離婚したと偽り、付き合っていた女性。彼女は越智のために離婚までした(らしい)。そのあげく、四国へ逃亡‥。彼を追った文春記者が女性についてどう思っているのか尋ねたところ‥‥『彼女とは世紀の恋だったんですよ』

 

世紀の恋って。野島伸司のドラマかっ?

彼もまた、自らを語りたくない男の一人であろう。どうか、特に野球好きの子供にはこの記事は読ませないでほしい。‥余談だが、長身速球派で同タイプだった條辺剛と越智が、時おり混同してしまう。しかし、條辺は埼玉の上福岡で第二の人生を成功させている。

 

 ◇大興奮?!

 

昔放映された野球中継を動画サイトにアップしてくれるユーザーは、私にとって誠にありがたい(本当は違法なんだろうけど)。 暇さえあれば、観賞している。そんな野球動画サーフィン?をしているとき、ついに見つけてしまった!

 

木田勇の動画 (全盛期)

 

ずっと見たかった。青のユニフォームの時代の木田。できれば、あの22勝をあげた当時の雄姿を、一度拝んでみたかった。たまたま発見したのは、1980年のオールスターでのもの‥‥だから全盛の全盛。

後楽園球場で江川卓と互角の投げ合いを演じ、このシチュエーションだけでももうたまらないのに、オールセントラルの4番には、引退間近の王さんである。まさか観れると思わなかった「木田vs王」の動画に大興奮な筆者‥。

あのときの木田勇は、たしかに直球に伸びがある。球速表示は出ないから判らないが、140キロ後半くらいはありそう。そしてカーブのキレが抜群に良い。そうか、このスタイルでパ・リーグの強打者連中を牛耳ったのか‥‥。長年の夢が叶った私は、色んな思いを馳せていた。

 

 


NHK 1980年7月22日 江川卓 木田勇 パ1-2 セ オールスター戦

 

 

週刊文春 2月16日号[雑誌]