19日、ついに最終回を迎えた【A LIFE ー愛しき人へー】。
初回からの視聴率の推移をみると、13～15％の間をウロウロ‥。近年なら「まずまず」になるのだろうだけれど、主役はあの木村拓哉（44）である。SMAP解散直後という話題性も相まって、制作サイドは、もう少し上の数字を目指していたのではないか。ぶっちゃけ。
個人的には満足している。久々に“ありのまま”の、ナウいキムタクが観れたから。やはり、彼はいつだって雲の上のような存在であってほしい。もっとも、医療のリアルの現場からは苦言もあったそうだけど。あんなの「あ・り・え・な・い」って。まさしく、ちょっと待てよ！状態。
最終回、副院長を解任され、浮浪者同然となった壮大（まさお）。その座に返り咲くどころか、いつの間にか院長のポジションに‥。そう、これほどまでに、すべてがハッピーエンドとなるドラマも、昨今珍しい。手術成功と見せかけて、結局は亡くなってしまうパターンなのかと思いきや‥。悪性の脳腫瘍を患っていたはずの深冬なんか、術後もピンピンしてたからね。快方に向かって何よりです。
彼女の手術は、キムタク演ずる沖田医師が、当初は担当。しかし、専門医ではない彼には手におえず、壮大が急きょ参戦。最強タッグでひとりの愛しき女を救ってみせたのだが、この絵面‥‥ラディッツ相手に、孫悟空とピッコロ大魔王、「地球最強コンビ」が手を組んだときと、少し似ていた。
あ、唯一、颯太と由紀の恋仲だけは成立しなかったみたい。思わせぶりな予告流してたから、てっきり二人はくっつくと予想していたのだけど、相変わらずあっさりフラれてたなぁ（笑）。若干ツンデレ気味な木村文乃、かわいすぎ。終始、中途半端なかっこわるいポジションにいた松山ケンイチ‥この役を引き受けて後悔はしてないか？
amazonより
現時点で視聴率はまだ判明していないが、おそらく横ばいだろう。前クールの「逃げるは‥」は最終回で20％超えの大台を記録し、有終の美を飾った。今夏にも、星野源（36）が連続ドラマで久々に「主演」を果たす‥なんてニュースに、即座に反応したが、地上波ではないらしい。話の内容的には面白そうなので、私も気にはなっている。
「逃げるは恥だが役に立つ」のタイトルを考えた、海野つなみは大したものだ。このフレーズ、様々なシーンで、けっこう使えると思う。最近だと、線路に飛び降り、猛ダッシュで逃走していく男‥。この様子を収めた動画が話題となった。
もちろん、線路に降りることは危険な行為だし、きちんと罰せられる。さらに男は逃走前に痴漢行為をはたらいていたという情報もあって、言語道断であるのだが、ネット上では、また別種の議論を呼んでいた。男の痴漢行為を「冤罪」と仮定したうえで‥‥
逃げるべきか、その場にとどまるべきか
結論からいうと、していないのなら、私は逃げても良いと思う。
‥まぁ「逃げる」というのも語弊があるかもしれないけれど、その場から“立ち去って”も良いと感じるのだ。むしろ、そうした方がいい。
【ぼくは痴漢じゃない！ー冤罪事件643日の記録ー】という本で、のちに無罪判決を勝ち取る著者も、たしかに後悔していた。あのとき「逃げておく」べきだったと。
むろん、このケースは特殊で、本当に冤罪であったこと‥偶然の産物によって、たまたま逃げられる環境がそこにあったことで、そんな想いに駆られてしまったのだが。逃げなかったばかりに長きに渡って、著者は苦しみ続けた。
本書では、“手続き”がいかに面倒かつ厄介で、警察が女性の味方であるのかも、まざまざと教えてくれた。いくら冤罪とはいえ、争い事は極力避けたい。時間も無駄だし、場合によっては仕事も、家庭すらも失いかねない。だったら、端から向き合う必要なんてないーー
今回のように、女性に暴力をふるって、線路に飛び降りるなんて行為は明らかに無謀であるが、かえすがえす、逃げられる環境にあるのなら、おおいに逃げるべきだ。痴漢を防ぐのと同様に、男だって自分の身は自分で守る。なぜならきっと‥‥逃げるは恥だが、役に立つはずだから。
◇ぼくは痴漢じゃない!―冤罪事件643日の記録 (新潮文庫)
