センテンス・オータム

ディープ・マニアック・鋭く「DMS」 様々なアレについて... (シーズン中は野球ネタ多し)

if 放出していたら「暴動」必至だった?男の巻

埼玉西武が怒涛の12連勝で上位に肉薄‥‥広島東洋にまもなくマジック点灯‥‥

 

 

夏真っ盛りのプロ野球ペナントレース。特にこの両球団のファンなんか、今がイチバン愉しい時期だろうなぁ。ファン心理とすれば、追われるよりも“追う”展開の方が盛り上がる。それは昨シーズンの北海道日本ハムを見続けてきた者として、身をもって体感した。

追われる方は、常にプレッシャーはあるけれど、さすがに今の広島くらい、2位に差をつけていれば、よほどのことがないかぎり、優勝してくれるだろう。いずれにせよ羨ましい。

今季も圧倒的な力でセ界を走る広島。その、強い広島を叩きのめした‥こともある北海道日本ハムの現在地ーー

 

 

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首位を猛追する西武に、東北楽天福岡ソフトバンクを交えた三つ巴の戦い。激しい攻防を繰り広げる“他所”を尻目に、3日のZOZOマリンスタジアムは、どこか牧歌的であった。順位争いなど、ロッテとハム、両球団のファンは微塵も関心を持たない。優勝どころか、クライマックス進出すらも絶望的。

‥せめて最下位だけは免れたい、「5位」を目指した争いということになるのだけれど、そんなこと誰も口にしては出さない。あまりに哀しすぎて。そうした一戦だったからか、いくぶん審判方も緊張感に欠け、あきらかに「誤審」と思われるジャッジもあった。

 

この日、6番にまで打順を下げた中田翔(28)。‥もっと不貞腐れるのかと思ったら、試合を観ていたかぎりでは、わりと平穏だった。

 しかし、仮に不貞腐れていたところで『実力もないくせに』と、ファンから罵られてしまうのがオチである。その辺は彼も解っているのか、あるいは、あぁ見えて意外と気の小さい彼のことだから、あえて何事もなかったかのように、装っていたのかもしれない。

 

前日はファンの前で醜態(2失策)をさらし、少しは内省の意味もあったのか、球児ごとくな丸刈り姿で球場に現れた。ようやく、野球選手らしくはなった。身なりや格好は、試合中の野球選手には関係ない。ファンには“プレイ”で魅せてほしい‥‥。当たり前のことだが、今までの彼はそれが解っていなかった。

自分の打撃技術を、ただ高めることだけに、残りのシーズン専念すればいい。チームは落ちるところまで落ちているのだし、それも多少であるなら、今は許される段階にきている。現実問題、この成績ではオフにFA宣言したところで、獲得に名乗りをあげる球団など、おそらく皆無だろう。昨季同様の打率250、本塁打20本程度に“帳尻合わせさせておくのが、何より本人のためなのだ。

 

 

北海道日本ハムにあって、唯一の光は、セットアッパー・宮西尚生(32)の通算250ホールド達成。

谷元圭介トレードの際も、批判的な声はずいぶんと聴かれたが、これがもし宮西尚生だったら‥‥とてもじゃないが、あんなもんでは済まなかっただろう。250Hが、パ・リーグ初の偉業となった実績が指し示すとおり、彼は「歴代最強」のセットアッパーである。

10年間にもわたって、あれだけ安定した成績を残し続けた投手を、私は他に知らない。9年連続50試合以上登板は言うまでもなく立派だが、防御率も3点を上回った年が、新人時代の一度しかない。あとは防御率1点台が3シーズン、2点台が5シーズン‥‥。チームの常勝時代は、宮西とともにあった。

 

東京を本拠にしていた頃、慢性的な左腕不足に悩まされていた。下柳剛高橋憲幸も、活躍期間は極めて短いものだったし、正直、安定性にも欠いていた。宮西のような優秀なセットアッパーがあの時代にもいたなら、チームは優勝していだろう。

複数の球団が名乗りを挙げることも予想されていた、FA権を行使するかで揺れていた際も「ファイターズ愛」を貫いて、最終的に残留を決意。ファンはそうした彼の姿勢も、よく知っている。

本人が引退すると口にするまでは、決して手放してはならない男‥‥それが宮西尚生という北海道が生んだ宝、偉大な投手である。

 

 

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