大谷翔平(23)投手兼野手の今オフでのメジャー移籍が濃厚となり、またチームの主砲・中田翔(28)のFA移籍も、だいぶ早い時期から取り沙汰されている。大幅に顔ぶれが変わってしまいそうな来季の北海道日本ハムファイターズ。だが、その決断‥‥本当にそれでいいの??
◇大谷のポスティング行使について
個人的には「不満」である。以前にも書いたけれど、チームが今、こんな状態で出てっていいのか。せめて、あと2年‥でなければあと1年、彼は日本ハムに留まるべきだと思う。
戦力的なものはもちろんだが、それより私が懸念しているのは「お金」の問題。‥現行のポスティングシステムだと、球団に入ってくる金は“僅か”というではないか。
『FAまでは待てない。一歳でも若いうちにアメリカへ渡りたい』その気持ちも、分からないでもない。それなら夢を叶えてあげよう。ただし、球団にきちんとお金が入ってくるようなカタチで‥‥。
これがポスティングの大前提ではないのか。もう2年経ち、一定の年齢に大谷が達すれば、移籍金はさらに巨額になるとされる。今後、新球場の建設?等で、入用もかさむのだ。彼が少しでも球団のことを想ってくれるなら‥そのタイミングまで待つという選択肢は皆無なのか?夢の見返り‥ではないけれど、そうやって球団に還元するのも、最高の恩返しになると思うのだが、いかがだろう。
「せめてあと1シーズン」は、あまり現実的ではない。‥ただ、仮にそれを皆解っていて、来季もハムでプレイするとしたら、興行面ではかなりの成果を期待できる。かつての【新庄劇場】のごとく、大谷翔平のラストイヤーを見届けようと、多くの観客が球場に足を運ぶだろう。札幌ドームだけにとどまらず、ビジターもおそらく超満員だ。
移籍金が見込めないのであれば、球団視点で、これもひとつの“ビジネス”として成り立つのではないかと‥。無論、大谷本人がそこで怪我をしてしまったら元も子もなくなるので、難しいのは百も承知の上だが。
◇ふたりのユウキ
チームでは大谷・中田に勝るとも劣らない、全国区な知名度を持つ斎藤佑樹(29)投手。もし3選手が一挙に北海道を離れるようなことがあれば‥‥来季は、まったく別のチームとなってしまいそうだ。
今、斎藤が置かれている立場は非常に厳しいといっていいだろう。今シーズン、復活の白星をあげたが、結局その1勝どまり。なにより、最後の登板となった7月のオリックス戦が「無残」だった。
イージーなピッチャーゴロを処理できない‥‥ベースカバーに遅れる‥‥などは、投球内容以前の問題。新人投手が浮足立っているのと、彼はワケがちがうのだ。あれにはファンも消沈。栗山監督も、以後、二度と斎藤を起用しなくなった。
ただ、ドライチの「戦力外」は球団としても示しがつかないので、出すにしても、トレードなりで何とか新たな道を模索してあげてほしい。彼の野球への情熱が、まだ萎えていないのであればーー
こちらのユウキの見通しは明るい。
今月18日、オリックス戦で2年目の吉田侑樹(23)投手がプロ初勝利。「失笑」を誘う、お立ち台が話題となった。
『ウイニングボールを手にした感想は?』
投げやすそうです
『ウイニングボールの、重みは感じますか?』
重たそうです‥
これらの発言には驚いた。ウケを狙っている感じでもなく、表情をみていると、当人はいたって真面目。‥多少、緊張はあったかもしれないが、「硬式ボール」そのものの感想を答えて、どないすんねん(笑)
まったく予測もできない発言をする男といえば、宇宙人・糸井嘉男の記憶が新しい。彼の場合、また別の意味で、どんな“珍回答”がお立ち台で繰り出されるのか楽しみだった。吉田もこれから活躍して、どんどんヒーローになってほしい。来季も期待している。