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哀悼【世にも奇妙な物語】 大杉漣の特別編

数々の映画・ドラマに出演し「名バイプレーヤー」として活躍された大杉漣さんが死去....

 

 

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筆者は一体、どれくらいの出演作を目にしてきたのだろう。数えることもできない。こと単発の【世にも奇妙な物語】においては、これまで10本以上もの作品に出演してくださった。目立たなくて地味、いかにも氏らしい役柄もあれば、物語のキーマンとなっていた作品もある。

今回はそんな大杉さんが出演されていた作品の中からとりわけ印象に残った「奇妙」を、哀悼の意を込めて振り返ってみたい。

 

 

第01話「バイプレイヤーとシェアハウス」

Amazon.jpより

 

 

◇影が重なる時(2003年秋)

 

解説:意外と知られていないが、隠れた名作。‥機会があれば、今、観ておいたほうがいい作品の筆頭。

ある日を境に、自分の「幽霊」を目撃する人が続出。この幽霊の正体は何なのか?解明に乗り出す学者の前に現れた、謎の老人。老人は幽霊などではなく、それは「影」なのだという。しかし、影は見える人と、見えない人がいる。そのワケを老人に扮した大杉さんが解く‥というもの。

幽霊ではなく影‥‥すべての合点がいったエンディングは恐怖であり、温かくもある。

 

 

◇影の国 (2003年春)

 

解説:そう、【影が重なる時】の半年前に出演した、同じ“影もの”。ちなみに元女優・桜井幸子も両作品に出演。ただ、2作品はまったくの別物で、テイストも異なる。

大杉さんの「持ち味」が、より活かされていたのは、こちらのほうかもしれない。不気味極まりない男を、クールに演じている。桜井幸子をジワリ追いつめていく様、大杉さんの“怪演”は、必見。

 

 

◇女は死んでいない (1997年秋)

 

解説:個人的に好きなのが、こちらの作品。刑事役の大杉さんが、卑劣な殺人犯と緊迫の「心理戦」を取調室で繰り広げる。物語は数時間という設定のはずだが、終始、重々しい作風で異常に長く感じられた。

実は当作品、つい先日も視聴していた。だから、死去の一報には本当に驚いた。我々の記憶のなかで、大杉さんは“生き続けている”。

 

 

◇私は、女優 (1999年秋)

 

解説:映画監督の役で出演。同作品で共演した深浦加奈子さんも夭折し、少し、今は辛くて観られない‥。けれども「奇ワールド」全開で、作品としてのクオリティは極めて高い。

 

 

◇13番目の客 (2001SMAPの特別編)

 

解説:主演・草なぎ剛の良き理解者で、職場?の同僚役。ストーリーを鍵を握っている存在といっても過言ではなく、作中、意味深な発言も多い。個人的な見解とすれば、この作品が、もっとも“素の”大杉さんに近かったような気もしている。世にも奇妙の十八番、含みを残したラストシーン‥。彼はどこへ消えてしまったのか。

 

 

◇夜汽車の男 (2002年春)

 

解説:大杉漣といえば、やはり【夜汽車の男】を真っ先に連想する視聴者も大勢いらっしゃるだろう。なにせ、「初」主演‥‥。いわば名バイプレーヤーの“晴れ舞台”である。

大杉さんのファンならずとも、この作品自体のファンもけっこう多くて、奇妙さのなかにクスリと笑わせてくれる要素も多分に含まれている。冒頭は、あたかもホラー作品のような体で始まるのに。

端的に言えば、まぁ、夜汽車の男が列車内で弁当を食っているだけなのだが(笑)、これが実に面白い。ご飯とおかずのバランス・配分を考え、どう食せばベストな形になるのか、男は本気で頭を悩ます。

絶妙なオチへの持っていき方といい、まさに「演出」の勝利。‥コメディの類では傑作といっていい。また、大杉さんが旨そうに食うものだから、視聴中は自ずと腹が減ってきてしまう.....

 

 

合掌

 

 

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