センテンス・オータム

ディープ・マニアック・鋭く「DMS」 様々なアレについて... (シーズン中は野球ネタ多し)

世にも奇妙な話.2018 【人生最大のピンチ!もの】

学生の頃、授業の一環で男子は柔道をやらされた......

 

 

私はこれが嫌で嫌で仕方なかった。なぜ強制させるのか‥。よくは分からないが、たぶん安くはないであろう、道着まで買わせて。そもそも男同士が“密着”するのところに抵抗がある。元々好きな人や将来警官等を志す者だけにやらせりゃいいのに‥なんて言ってしまったら、関係者に怒られるだろうか。すみません。

 

ある日、その授業のときに「人生最大のピンチ!」が訪れた。‥後年、幾度も私に“ピンチ”はあったので、厳密には「人生最初のピンチ!」のほうが、正しいかもしれない。

 

更衣室で着替えていると、財布‥といってはおこがましいくらい、「小銭入れ」のような物体が、脱衣用のカゴに残されていた。おそらく前の授業で使っていた生徒のものだろう。しかし、私は当時内気すぎるほど内気な人間で、声高に『財布があった!』などと周囲に言い出すことができず、また私自身も授業の準備をしなければならないので、そのまま放置していた。あとで何とかしようと‥。

 

授業が終わり、各自制服に着替えているときだった。

別の強面の体育教師がやってきて、なんと道場を「封鎖」しだした。その財布を置き忘れた生徒が、やれ盗難だ!やれ泥棒がいる!そうわめき散らして“外界”ではちょっとした騒ぎになっていたらしい。『犯人は絶対この中にいるにちがいない』とでも教師に訴えたのだろう。そこで、彼の気が済むのなら‥と、今、道場にいる生徒全員に対しボディチェックを敢行するというのだ。

 

 

‥実、この時点で財布は『あとで何とかしようと』していた、私のポケットの中にあった。今さら財布がカゴの中にあったことを言い出せず、それを口に出したところで、もしかしたら私が「犯人」のような扱いをされるかもしれない。いや、シチュエーション的にみて、まちがいなく教師は私を「犯人」とみなすだろう。

 

一列に並んで始まった、持ち物検査‥‥

 

おおいに焦った。これを「窮地」という他ない。短い時間のうちに色々思案しながら、でも不審な動きも、今は厳禁で、刻々と自分の順番が迫ってくる。

 

すると、私はあることに気づいた。やはり、教師のほうにも生徒を疑いたくない気持ちはあったのか、そこまで“念入りに”というわけではなかった。あくまで「形式的」、そんな塩梅。またこうすることにより、生徒自ら名乗り出て来ることを期待し、あるいは生徒の動揺や表情を観察することを主としていたのではないか。今振り返ってみると。

 

“内ポケ”まではチェックしてしないことを知った私は、隙をみて瞬時に移動させた。手のひらサイズの小銭入れであったことが幸いした。あとは、なるべく平常心を装って持ち物検査に臨むだけ‥。

 

 

そして、どうにかこうにか難を逃れることができた私は、何事もなかったように、あたかも持ち主が落とした、置き忘れたようなカタチにして財布を周辺に残し、その場を後にした。

“発覚”したら停学、もしかしたら退学処分もありえた。まさに危機一髪!十代にして、あの「石田部長代理」の極限状態を味わうことになろうとは‥‥

 

世にも奇妙な物語【石田部長代理の災難】。盗難騒ぎにより、組織のなかでボディチェックを行ったところまで、状況はほぼ私と同じ。もっともあのときの私に石田部長代理を思い浮かべるほどの余裕はなかったが。

同様に難を逃れた‥かにみえた「世にも」のほうは、最後の最後で部長代理が“やかしてしまい”、一連の事件の犯人扱いをされてしまう憂き目に‥。なんともシュールなエンディング。演じた伊東四朗の“迷演”が忘れられない。

 

 

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「人生最大のピンチ!」といえば【DOOR】。無名時代の深津絵里が出演していた作品で、運がよければ動画サイトなどで現在も拝める。そこで訊きたいのが、あのラスト。

端的にいうと片方のドアは「死」を意味し、もう片方のドアをあけると「生」を意味する。主人公はそのどちらかのドアを開けなければならない。

「生」のドアには愛する恋人・深津絵里が待っている。彼女が書いたと思しきメモをそのまま鵜呑みにするのは危険。罠の危険性もあった。悩みぬいた結果、男は彼女の“指示通り”のドアを開けたが‥‥

 

もうここからは各自想像の範疇。映像を観ただけでは、愛を信じた男の行く末が結局どうなったのか判然としない。‥まぁ判らない結末も乙ではあるけれど、わりと考えさせられる作品のひとつであったように思う。

 

 

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