センテンス・オータム

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【イチローに望むこと】エースのやきう日誌 《5月4日版》

イチローが、現役引退!?

 

 

いや、様々な情報が錯そうしていて私もよく解らないのだけれど、完全な引退ではなく、「復帰」の可能性も残しているのだとか‥。おそらく彼の性格からして、もうそのような“奇跡”は起こらないと思うが、どうなのだろう。それにしても突然だった。

 

 

名古屋では有名だった球児も、甲子園では目立った活躍をすることができず、NPBかつてのオリックスブルーウェーブで始まった、サクセスストーリー。

その一部始終を見届けてきた人間としては、やはり寂しいものがある。今回もそうだったが、彼が世に出てきたときも、“突然”。よく『彗星のように現れた』なんて言葉が用いられるけれども、まさにソレ。プロ入り2年間でさしたる数字を残せず、単なるイチ若手選手にすぎなかった男が、3年目でいきなり200安打の金字塔。

 

‥ちょっと手元にデータは残っていないが、当時「壊滅状態」だったハム投手陣なぞ、たしか、年間で4割5分くらい打たれていた記憶がある。野球、打者でいうなら『ホームラン打者こそが華』そんな概念を覆してくれた、稀代のヒットメーカー。

以前からパ・リーグウォッチャーだった私とすれば、すでに落ち目であった西武の清原和博に取って代わる“ひとりのチカラで”客を呼べる選手を、生まれて初めて見た。それを裏付けるようなエピソードがある。

活躍後、厳しい内角攻めにあっていたイチロー。打撃タイトル2冠を獲得した1995年は、18死球でリーグトップの数字である。これに怒った当時の監督・仰木彬氏が『ぶつけるチーム相手にはイチローを出さないぞ』そういった旨の発言をされていた。

無論、氏とて“本気”ではなかったと思うが、彼が試合に出場しなければ興行面にも関わってくる。もうイチローにぶつけてはならない‥‥。こんな“かん口令”が敷かれていたかどうかは定かでないが、事実、翌シーズンから彼の死球は「激減」している。もはやイチローという選手はパ・リーグをあげての「宝」だったのである。

 

 

Number(ナンバー)951号 ICHIRO BACK TO MARINERS 2018 (Sports Graphic Number(スポーツ・グラフィック ナンバー))

 

 

1996年、優勝決定戦でのサヨナラ打。‥贔屓にするハム戦だったこともあるが、あまりにも“絵になりすぎて”、さすがに憎たらしかった。漫画の中から飛び出てきたような、【THE ヒーロー】。人気面でいうなら、おそらく日本におけるイチローの絶頂期である。

 

 


アサヒ飲料 三ツ矢サイダー イチロー CM 1996

 

 

しかし、先ほど言った野球ファンに多い『ホームラン打者こそが華』の心理もあながち間違っていなく、諦めれるのも、わりと早かった。たとえばゲームの世界でも、イチローよりは、ホームランを量産できる松井秀喜のほうを重宝する‥。また、ヒットなら「いつでも打てる」といった塩梅のイチローに物足りなさを覚えるファンも増え始めた。狂騒曲は終焉。次第に閑散とし始めたスタジアム。

 

‥この時期からだろうか。少なくともメディア越しに見るイチローは妙に冷めていた。メジャー行きに気持ちが傾きかけていたのもあったかもしれないが、まったく愉しそうではなかった。筆者が気に入らなかったのは、日本で最後のオールスターに出場した、神戸での試合のとき。

インタビューで『これだけお客さんが入ったなかで試合をしたのは初めて』といった旨の発言をしていた。‥そんなことはなだいろう。「がんばろう神戸」の年は、あれだけ多くの客が連日球場に詰めかけてくれた。神戸の人やオリックスファンに対しても、ちょっと失礼だろうと。もはや、師匠である“仰木氏のため”だけに、オリックスに残って野球をしていたような印象も受けた、晩年時代‥。

 

憧れのメジャーリーグに渡って輝きを増したイチローは、本当に毎日が愉しそうだった。マリナーズが強かったのは、それこそ最初の1,2年くらいであったが、心の底から野球を愉しんでいる様が、画面越しにも伝わってきた。そんななか積み重ねきたヒットは、実に3000本強‥‥。メジャーでも変わらずに「ヒットメーカー」で在り続けたICHIROは、やっぱりイチローだった。

 

 

‥個人的な想いとすれば、日本でプレーする数字の部分ではない、一皮も二皮も向けた彼の雄姿を、もう一度‥拝んでみたかったが。この際、どこの球団でも、監督としてでもいいから、日本の選手に‥イチローを知らない若手選手たちを“イチ流”に指導してほしい。客が呼べる選手を、今度は自らの手でつくってほしい。これは日本の野球を愛する者の、願いである。

 

 

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