今年は埼玉イヤーなのか！
だなんて、正月に冗談めかして書いたつもりが、あながち冗談にもならなそうである。今月下旬に公開される【翔んで埼玉】。漫画の存在は知っていた。県内の書店なら、大抵取り揃えてあるから。映画化すると聴いて、どうせ入間とか秩父でしか上映されない超ローカル映画かと、最初は思っていたんだけれど、まさかの豪華キャスト‥。二階堂ふみに、GACKT出演とはこれまた奇抜‥。
大ヒット御礼！は、別にそこまで願っていないが（笑）、私自身も同県をこよなく愛する者として、他県人の方々も今一度、すばらしき埼玉という地に目を向けて頂けたらと思う 。
映画や埼玉の魅力を語るのはまた別の機会として、今回は別件。まず、近頃やたらテレビで見かける「ＫＩＮＧ」のことについて少々.....
◇「KING」460億円詐欺 黒幕は前社長夫婦、金の管理に名簿作成も― スポニチ Sponichi Annex 社会
投資会社会長兼、神主兼、歌手。三つの顔を持っていたとされるKINGこと銅子容疑者（13日詐欺容疑で逮捕）。社内で用いられていた「ゴレンジャー」だの「元気玉」だの、つくづく世代が一緒なのだなと、筆者も妙な感慨を覚えていたのだけれど、実は本当の“黒幕”が他にいたというのが、上の記事。
これを鵜呑みにし、若干週刊誌のようなテイで表するならば、つまり、彼はステージの上で踊らされていたピエロだったわけだ。‥となると、人前であれだけ気持ちよく「持ち歌」を歌唱していたKINGが、哀れにも映ってしまう。
よく「事実は小説より奇なり」というが、少なくともこの作品にかんしては逆。おそらく誰一人として読めなかったであろう、真の黒幕の正体‥。殺人事件の舞台裏では一体、何が起きていたのか‥。物語終盤には『そんなのアリ？』 的な、反則技を次々と繰り出してくる【閉ざされた森】は、一連の投資事件の謎解きよりも難解なこと請け合い......
左：ハーディー 右：ウエスト
ハリケーンの中、密林で米軍のレンジャー部隊が消息を絶たった。調査にあたった女性大尉オズボーン（コニー・ニールセン）と元レンジャー隊員ハーディー（ジョン・トラボルタ）は生還した2人の隊員から不可解な出来事を聞く…… ※シネマトゥデイより
事態があまりにも目まぐるしく展開して、しばらく鑑賞者を混乱に陥れる。わりと“ご都合主義”なところがあって、頭のなかを一度整理しなければならない。けっきょく誰が敵で、誰が仲間だったのかという再確認（笑）
レンジャー隊員による、仲間内で起きた、森の中の惨劇‥。生存者二名は、それぞれ異なる証言をして自己保身に走っているのは明らかで、どちらが本当のことを口にしているのか解らない。‥なるほど製作者も、黒澤明監督の日本映画【羅生門】は多少意識していたようだ。
“元隊員”のハーディーが捜査に協力しているのは、ある人物に頼まれたから。そこで二人の供述に矛盾点を見出し、事件は解決に向かうのかと思いきや、二転、三転‥いや四転か。さらに意外な人物が事件に絡んでいたり、当のレンジャー隊員たちの秘密が暴かれたりと、いっそう混迷を極める。
最後の最後で黒幕の存在、そして森の中で行われていたその全貌を知ることに。人間の「思い込み」とはつくづく怖いものであると、それを思い知らされたと同時に『こんなの分かりっこねーだろ！』という軽い憤りも感じつつ（笑）
後日談によると、死んだと思われていた人物は、どうもファンからの強い要望によって“生かされた”らしい。‥悪くいえば、本当に何でもアリｗ
だから、どちらかといえば「笑劇」のラスト。ハッピーなのかバットの扱いになるのかも極めて難しいところだけれど、まったく予測不能のストーリーは、なかなか愉しめた。
好きな選手の打率・打点を正確に記憶している、筆者と同じ特技を持ったハーディーに好感をいだき、マントを纏った部隊の鬼軍曹・ウエストの荘厳さは、それこそキング然としていて、すごかった。
