センテンス・オータム

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【プレゼント(ギフト)をおくるその前に】エースの映画日誌ミニ 《2019年3月11日版》

3月14日。まもなくホワイトデー。

 

筆者が子供のときからあった、この謎なイベント‥‥。一般的にはひと月前の「バレンタイン」の返礼に充てる方々がほとんどだと思う。会社勤めしていた頃わりと困ったのは、個包装の‥単価にして何十円相当の菓子を配っている、主におばちゃん達への処遇だった。

きちんとしたモノを返すのも癪だし、かといって“完全スルー”なのも、あとで何を言われているか分からない。誰に対してもオープンなそういう人ほど内心、実は、見返りを期待していたりする‥‥。このような極めて面倒なイベントは、バレンタインデーもろとも消えてなくなればいい。

 

‥‥と、モテる男が言うのならかっこいいが、そうでない男が言うのは単なる負け惜しみのように聴こえてかっこわるい(笑)。しかし、個人の名誉のために書いておくと、自分はケチなのではない(モテなくもない!)。むしろ贈り物をするのは好きで、ホワイトデーの枠に囚われずに機会があるたび、世話になった知人たちに「ギフト」していた。

彼らの喜んだり驚いた表情をイメージしながら、ひとり悦に入っている‥‥。そんな自分が他人にとって“脅威”にもなり得ると感じたことは、その作品と出合うまで、一度もなかった。2016年公開のアメリカ映画、タイトル名ズバリのザ・ギフトは、そうした“贈り物”にまつわる怖い話――

 

 

稲川淳二ではない

ザ・ギフト (字幕版)

 

 

転居先で幸せな生活を送っている夫婦サイモン(ジェイソン・ベイトマン)とロビン(レベッカ・ホール)の前に、サイモンの高校時代の同級生だというゴード(ジョエル・エドガートン)が現れる。再会を祝いゴードは1本のワインをプレゼントし、その後もたびたび二人を訪ねては贈り物をし続ける。次第にその内容がエスカレートしていき、二人が違和感を抱くようになると、周囲で異変が生じ…… シネマトゥデイより

 

 

街で偶然再会した同級生。けれども、その彼の記憶がまったくない主人公。同級生は、なぜか住所を知っていて、再会の直後から始まった謎のプレゼント攻勢‥‥。

当作品、冒頭からして雰囲気が抜群だ。学生時代特段親しくもなかったのに、やたら近づいてくるゴードと名乗る男の目的が、まず分からない。‥皆さまも、これと似たような気持ち悪い経験をした憶えが、一度くらいあるのではないか。大抵のケースは何かの勧誘が目的であったりするのだけれど(苦笑)。サイモン夫婦も、やはりゴードの方によからぬ魂胆があるのではと勘ぐってしまう。

 

ゴードの“見えない陰”に徐々に怯えだす奥さんだったが、一方で、根っからの悪人とも思えなかった。彼は、人との距離感がつかめていないだけ‥‥。はたして男は本当に「悪」なのか。中盤までの展開には、リアリティな恐怖があった。

 

ゴードが抱える闇と、サイモンとの間に以前起きていたことが後半以降、時間をかけて明かされていく。そして最後の「ギフト」の意味をどう捉えるかで、おそらく観た者の評価を決定づけてしまう。注意が必要なくらい、それほどインパクトの大きいものだった。

 

 

贈り物をするタイミングとその内容を的確にし、当然、相手に喜ばれるものでなくてはならない。サプライズもいいけれど、何が喜ばれるのかを予めリサーチしたうえで送るのが最適だろうか。筆者もいま一度、再考せねば。

 

贈る側に“失敗”は許されない‥‥それが「ギフト」の本質である。

 

 

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