センテンス・オータム

ディープ・マニアック・鋭く「DMS」 様々なアレについて... (シーズン中は野球ネタ多し)

【野球映画を野球好きが解説してしまうと‥‥ただの野球バカ】エースの映画日誌ミニ 《2019年4月12日版》

‥‥たとえば【カッコーの巣の上で】。

 

主人公がワールドシリーズの視聴を、施設の職員に懇願している。【レナードの朝】では、記憶を失った父親にメジャーリーグについて書かれた記事を読み聞かせる、娘のシーンがあった。冒頭から試合の模様が映し出される【ユージュアル・ネイバー】(※1)。寝たきりの少年を外へ連れ出したのは、最近近所に越してきた女の子。彼とキャッチボールをするためだった.......

 

 

こう旧作映画などを観ていると、自分の意志とは別に、不思議と野球「ベースボール」が絡む作品もわりと多かった。筆者が野球好きだから、勝手にこれらの作品が吸い寄せられていく‥‥のではない。

向こうは、おそらく日本以上に「ベースボール」が日常の中にあるのだ。だから、ごく自然な形で描かれている。ちなみにスペイン映画では、やはりというべきか、劇中サッカーの話題をしていた。

 

『野球っていいよなぁ』

 

登場人物がそうシミジミと語っているフィールド・オブ・ドリームスは、まさにアメリカ人の野球に向けられた熱、「ベースボール愛」が伝わってくる、そんな作品だった。

野球場を“造ってしまった”男の物語。球団は持っていない。我が国にありがちな、金持ちの道楽というわけでもない。むしろ球場の建設によって借金まみれになった。周りはその理解に苦しむ。当然だ。では一体なぜ、男は私財をなげうってでもスタジアムを造らなければならなかったのか――

 

 

フィールド・オブ・ドリームス (字幕版)

 

 

ある春の夕暮れ、アイオワ州のとうもろこし畑で働いていたレイ・キンセラケヴィン・コスナー)は、突然「それを建てれば彼がくる」という幻の声を聞き、畑をつぶして野球場を建てる決心をする ※Movie Walkerより

 

1990年公開のアメリカ映画。ケビン・コスナー主演。

 

キッカケは、なんと「お告げ」であった。映画では、一見神様であるかのような告げ方なのだが、この時点ではもちろん、声の主が誰なのかは解からない。ただ、幻聴ではないと確信していたレイにはもう何の迷いもなかった。即行動。‥‥何らかの「お告げ」を聴いてリアルガチに退団した元阪神グリーンウェルも、当作品を観て影響を受けていたのではないだろうか‥‥もしや(笑)

 

まもなくして完成した、主のいない“手づくり”球場。ところが、そこにある一人の“選手”が現れてから物語の風向きが変わり始めた。ジョー・ジャクソン。しかし、彼の姿はレイ一家にしか映らないという‥‥つまり、幽霊だった。特段、本格的な野球映画を望んでいたわけでもなかったけれど、これは予想外の展開。

日本なら『世にも奇妙な物語かっ!』そんなツッコミの一つや二つ入れたくなるところだが、実、ジャクソンは実在していた野球選手(映画冒頭でも紹介されている)。メジャー通のアメリカ人にとっては、感慨も一入だったのではないか。

 

ジャクソンの声掛けによってだんだん選手(幽霊)が集まっていき、試合を行えるまでに。その過程で、あるひとりの選手にフォーカスしている。メジャーでの出場は通算1試合。それも守備だけで、けっきょく打席に立つことはできなかった。時を超えた彼は、はたしてヒットを放つことができたのか。

 

 

フィールド・オブ・ドリームス】は「野球」を通じて訴えかけたい事柄が、もっと他にもあったはず。揺るぎない信念であったり、支える家族の愛だったり‥‥。しかし、野球好きが観てしまうと、どうも見方が偏ってしまう。これは評者としてあまり良くない傾向だ。第一ここでグリーンウェル氏の情報なんか全くいらなかったわけだし(苦笑)。作品自体は、ルール等の野球に無知識な方でも愉しめる内容であるのに変わりはない。

 

さて、彼がなぜスタジアムを造ったのか‥正確には、行動を起こさせたのか‥その答えだけど、仮に私ならこう言わせてもらう。他の多くのアメリカ人同様、レイ・キンセラにも

 

「野球人」の血が流れていたから――

  

《参考》

(※1)ユージュアル・ネイバー(字幕版)

 

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