今のパ・リーグは「2強2中2弱」というところだろうか。きれいに色分けされている......
「強」は優勝争い、「中」はCS進出争いを演じ、「弱」つまり北海道日本ハムとオリックスは完全に蚊帳の外だ。あとはシーズン終了を待つのみ。現状いくらまだCSの可能性が残されているといっても、ラクビー日本代表が強豪・アイルランドに勝利するくらい、可能性はゼロに等しい。
19日のメットライフドーム、対埼玉西武戦。試合途中、オーロラビジョンに突然、こういったメッセージが流された――
追伸:先日、釧路にて体験した“21世紀初の日没コールド”。ライオンズはあれ以来、13勝4敗で運気上昇となりました。貴重な体験ありがとうございました。
実、これの前に杉谷拳士や田中賢介への“お言葉”が贈られ、幾分オブラートに包まれていたから、鈍いファイターズのファンは気づかなかったかもしれないが、よく見ると、相当な「嫌味」である。全くもって小馬鹿にされている。拍手をして笑っていた人の気が知れない。
向こうからすれば、おそらく“ノリ”だったのだろうが、私は到底看過できず、悔しくて仕方なかった。最後まで後味が悪い、2019年シーズン‥‥。やられたままで終わるな。来季、かならずこの雪辱を果たしてほしい。
◇高卒新人投手アレコレ
ファイターズのドライチ・吉田輝星(18)の一軍再登板が取り沙汰されている。8月の千葉ロッテ戦では派手に打ちこまれ、2敗目を喫してしまったが、今度は与えられたチャンスを生かせるだろうか.......
高卒新人ながら、すでに1勝を手にしている吉田輝星。それだけでも立派なことだけれど、現時点で彼がどの程度の力を持っていたのか、凄かったのかが、いまいちピンとこない方も多いと思われる。そうしたプロ野球ファンのために、こちらで判りやすい“物差し”を用意しよう。
題して、歴代「高卒一年目」の投手と比較してみた――
2005 ダルビッシュ有(東北) 14試合 5勝5敗 ※完投2 防御率3.53
1984 津野浩(高知商) 18試合 4勝8敗 ※完投2 防御率6.64
2007 吉川光夫(広陵) 19試合 4勝3敗 ※完投1 防御率3.66
2013 大谷翔平(花巻東) 13試合 3勝0敗 防御率4.23
1997 矢野諭(帝京五) 5試合 2勝1敗 防御率4.35
2010 中村勝(春日部共栄) 4試合 1勝2敗 防御率5.50
2019 吉田輝星(金足農) 3試合 1勝2敗 防御率10.80(9/20現在)
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ザっとここ40年ばかりの、該当する投手(勝ち星をあげた高卒一年目)を調べてみたところ、このようになった。もし見逃しがあったらすまない。
松坂大輔とか田中将大のように“いきなり”二ケタ勝つ投手もなくはないが、ファイターズではダルビッシュの5勝が最多。やはり、最初からモノは違っていた。
勝ち星上位のダル、津野浩、吉川光までは、なんと完封勝利まで記録している。一年目から主力同然の扱いであった。吉田輝含め、全投手に共通していえるのは、先発投手として、勝利を“自力で”もぎ取った点‥。つまり、試合途中から登板して、運よく転がり込んできた勝ち星などではなかったということだ。
しかし、こうして眺めてみると、群を抜いて吉田輝の防御率が悪い。むろん投球回数が少ないのもあるけれども、さすがに10点台では、一軍で通用していたとは言い難い。あのプロ初登板初勝利がマグレだったと言わせないためにも、有終の美を飾っておきたいところだ《了》