ふだん在宅の多い私でさえ、これだけ「外出自粛」を要請される日が続くと気が滅入りそうになる。そのような事象を今、ちまたでは「コロナ鬱」などと呼ぶそうだ。この世界中を覆う闇は、一体いつになれば明けるのだろうか。
仕方なく自宅でテレビ、DVD、ネット配信、あるいはYouTubeなどをご覧になって過ごされている方も多いと思う。‥映画やドラマは筆者よりも断然詳しいブロガーが他に大勢いるからそちらにお任せするとして、今回、自分は【世にも奇妙な物語】の作品について語ってみたい。この非常時に(笑)
というのも、あちらの世界は、現実よりもはるかに恐ろしかったり不気味だったりする。「毒には毒を」の理念。私たちが今置かれている環境の方がよほどマトモだ‥‥そう感じられる、安心できる作品を独自にチョイス。世相を鑑み、選りすぐりの奇妙をプチ・トリビア付きでお送りしたい。
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◇【ビデオドラック】 主演:古村比呂
ある条件を満たしたビデオを見ると、連鎖的に恐ろしいことが起こる。ここでいう「ビデオ」とは、VHSをのこと。その映像のなかに隠された、秘密のメッセージが存在し‥‥そんなテイなのだが、初見要注意。トラウマになる可能性大。
パンデミック必至な、そのストーリー(特にラストシーン)もさることながら、当作品で用いられている「映像」が、また違った意味で瞼に焼き付く。映像を見た子供が体調を悪くする「ポケモンショック」と呼ばれる騒動が以前にあったけれど、当作品も危うい。「R-15」くらいにすべき。再生中に流れるBGMも、相当な恐怖。
◇【ウィルス】 主演:広末涼子
そのまんまのタイトル。現在の情勢と幾分似ている。ただ、この作品で描かれている世界の方が状況的には、絶望的に悪い。ウイルスに感染した主人公(広末)が、最後に突き止めた真実とは‥‥。
まぁネタ自体はありがちだけれど、機内から始まる冒頭部といい、終始緊迫感があり、そこに広末の熱演も加わって、非常にスリリングな展開。いま目にしておきたい、奇妙作品の筆頭。
◇【穴】 主演:いかりや長介
ゴミ処理場の建設中に見つかった、巨大な穴。この「穴」に翻弄される大人たちを描いた物語だ。特筆すべきなのが、主演の、いかりや長さん。俳優業に本格シフトして、まだまもない頃と記憶。社長に扮する長さんの、右腕となって会社を切り盛りしていたのが、中本賢だ。
‥この中本氏というのが、眼鏡を取った仲本工事に似ていなくもなく、放送当時はまだ知識を持ちあわせていなかったことから、筆者は当初、ドリフメンバーが「共演」していたのかと(笑)。‥もし、もしもそうだったなら、それもまた乙だったけどね。
◇【最後の喫煙者】 主演:林隆三
世にも奇妙な世界が、ついに「現実」のものとなってしまった――
今年から屋外でタバコを吸えなくなった。同様に、この物語における喫煙者も厳しく罰せられる。高らかに「嫌煙」の声をあげる運動家、ワイドショーで愛煙家と討論させるなど、もう四半世紀も前の作品だというのに、原作者の筒井康隆は、つくづく先見の明があったように思う。ちなみに、氏もちゃっかり?出演をはたしている。
しかしながら、昔の作家はほとんどタバコを手にしている。先日観た映画【三島由紀夫VS東大全共闘 50年目の真実】においても、三島はもちろん、学生たちもプカプカふかしていて、こちらにまで煙さが伝わってくるほど‥。「嫌煙」の人々は、きっとあのようなシーンを目にするだけで、気分を悪くしてしまうのだろう。
‥これ以上迷惑はかけないので許してほしい。生きた愛煙家より。
「ジャッキーちゃん」こと
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◇【マジシャンのポケット】 主演:井上順
世相とはまったく関係はないが、定期的に見てしまう。
冴えないマジシャンに起きた奇跡と、その顛末‥。短い時間で、なかなか重厚な人間ドラマが繰り広げられている。哀愁を漂わせる主人公に、井上順を選んだのがいい。仮に堺正章では、はなから如何様っぽい(笑)
レギュラー放送時代のものとしては異例の超大作。おかげで、同日に岸本加世子が出演していた【赤と黒】という作品が3分前後と超コンパクトに収められ、帳尻合わせ?している。ストリッパー役の広田レオナも忘れられない。
今記事で取り上げた5作品。運がよければ貴方もどこかで必ず見られると思う。諸般の事情からアバウトで申し訳ないが。その暁、少しでも私の「選抜理由」に理解を示してもらえたなら幸いだ。