センテンス・オータム

ディープ・マニアック・鋭く「DMS」 様々なアレについて... (シーズン中は野球ネタ多し)

「2011」にあった光

いい偶然よりも、悪い偶然の方が、案外と重なる。

 

ここ一週間くらい、筆者が観戦した日ハム戦は、すべて星を落としていた。仕事で生観戦できなかった試合は勝つのに、観てると勝ってくれない‥。本気で、自分が見ない方が良いのではないか?なんて、幾分自棄になったりもしたが、そういうわけにもいかない。公式戦開幕に合わせ、わざわざ有料チャンネルに加入したのだから。試合がある日はどうしたって目がいってしまう。‥頼む、俺が観戦する日も(たまには)勝ってくれ。

 

 

久々に帰ってきた札幌ドーム、15日の千葉ロッテ戦。勝てなかった日は「あと1本」が出ずに歯がゆい思いをさせられたのだが、まるで、そのうっ憤を晴らすかのような打線の爆発っぷりだった。13点のうち、2得点でも前日の試合(0-1)に持っていけたら‥‥こんなことを考えてしまうのは、スポーツの分野において“ご法度”だろうか。

 

この試合でひと際輝いていたのが、5年目の松本剛。『こういった選手がまだハムにいたのか!』と、俺は久方ぶりに胸躍った。横尾や大嶋といった期待の若手が、なかなか結果を残せないでいたなか、陽岱鋼、さらには杉谷拳士の故障で得た、千載一遇のチャンスを、松本剛は「一発回答」で存在感を示した。

 

実にいいバッティングをする。前日のオリックス戦から、軸のブレない美しい打撃フォームで力づよい打球を、右へ左へかっ飛ばす‥。なぜ彼のような選手が昨シーズンまでファームに埋もれていたのか、不思議なくらいだった。

 

 

目を見張る、急成長‥‥。杉谷同様、内外野を守れる松本剛の台頭は、チームにとって大きなプラスであるのは、まちがいない。しかし、俺個人的にも嬉しい事情が、もうひとつあった。“ドラ2”の松本剛がモノになれば、日ハムの2011年度におけるドラフトは「特A」評価となり得る----

 

「特A」とは、ドラフトマニアの間でよく交わされる言葉で、ランクのことを指す。「A」評価よりも上をいく、スペシャルな「特A」。

 

‥15日の先発オーダーを見てほしい。松本剛の同期、つまり「2011年組」が3選手も名を連ねている。今や打線に欠かせない選手となった近藤健介(D4)、左(雄星)キラーの石川慎吾(D3)。今期は出遅れているが他に、一昨年、新人王候補にも挙がった上沢直之(D6)。手塩にかけてきた高校出の選手たちが、しっかりと戦力となってくれている事実が、何より嬉しい。

 

おもえば2011年のドラフトは、ハムにとって「大失敗」となる危険性すらはらんでいた。理由は他ならない。即戦力を見込んでいたドラ1投手が入団拒否と相成ってしまったからだ。

 

当時あらゆる方面で物議をかもしたが、アノ投手を逃したとしても、縁あって同年にハムに入った選手たちが、こんなにもプロで花開かせてくれるのなら、結果的に大成功の「特A」評価をあげてもいいのではないか。むろん、定評あるハムの「育成戦略」の偉大さも見逃せない。あとは、本当の意味で育成力が問われそうなソフト出身・大嶋匠(D7)の爆発を待つばかりだが....

 

 

ハムにとって、もはや“風物詩”となった、ペナント開幕後の交換トレード。読売から大累進という選手がチームに加わった。ハムを入団拒否した投手が翌2012年に1位指名された年に、2位で指名されたほどの選手。「韋駄天」との情報もあり、故障者続出の外野陣に新風を吹き込んでほしい。