死者と交信することができる....
こんなことを書くと、筆者がまるで何かの妄想に取り憑かれているのではないかと思われるかもしれない。しかし、嘘のような本当の話だ。
一昔前にその手のテレビ番組が流行ったことがあったけれども、あれは100%「作り話」といっていいだろう。なぜなら、霊界にいる者に、こちらから“コンタクト”を取るのは、絶対に不可能であるから。私もそうだが、基本的に「受信」のみ。つまり、こちらが望んで向こうから現れるものではない‥ということだ。
では、受信する人とそうでない人の違いは、なんだろうか。よく「体質」なんて言葉も訊かれるが、いささかそれとも違う。そうした体験によって、導き出された私なりの答え。それが‥‥
向こうが人を選んでいる
肉体を持たぬ霊魂に、選ばれた人。‥このように書くと、何か特別な人であるかのごとく偉そうに聴こえるかもしれないが、そうではなく、まったく普通の人たちである。
現生に残してきた者に、今の気持ちやメッセージをどうしても伝えたい。ただ、それを当事者に受け取ってもらうことができなれば、無関係の第三者を介して何らかのアクション(行動)を起こす‥‥これが一般的にいう「霊現象」と呼ばれるもので、大抵は悪意はない。まして、驚かせたりするためなどではなく、ただ、その“存在”を認めてもらうために。
以前『呼び覚まされる霊性の震災学』という本を読んだ。
たしかに乗車させたのに、いつのまにか人が消えていた‥‥そんな複数のタクシー運転手の証言による、不思議な現象の数々。本では「タクシー」という密室な空間が霊魂を呼び寄せやすかったのではないかとの見解が示されていたけれど、違う。
空間よりも「受信」できる、人を選んでいたのである。それが、たまたまタクシー運転手の方々であったということだ。
死しても尚、どうしても伝えたいメッセージ。あの人へ‥愛する夫へ‥我が子へ‥
“こちら側”にいる人間同様に、霊魂にも強い想いがある。
某飛行機事故によって亡くなった母親と、私は意識の中で交信をする。‥交信といっても私から声をかけることはできない。自分は常に「聞き手」だ。私が“選ばれた”のも、ただ単に受信できただからではなく、そこに何かしらの意味があるはずだ。今までまったく関心を示さなかった事故について、私も‥私なりに、かなり調べてきた。
そして、いつか‥それを伝えることが、自分の使命だとも思っている。当事者に直接無理なら、この場で伝える。霊魂の真実の想いを、かならずーー