センテンス・オータム

ディープ・マニアック・鋭く「DMS」 様々なアレについて... (シーズン中は野球ネタ多し)

怒りの矛先

比較的、昔のアニメやドラマなどで、大抵の子供たちはサッカーよりも、野球に興じている....

 

 

なかでも「ドラえもん」は、それなりの人数を集めて試合を行う頻度が高く、わりと本格的なものだ。試合中、私がよく気になっていたのは、ジャイアンのやたら偉そうな態度や、のび太の不甲斐なさではなく「ホームランボール」の行方なのである。

 

あんな狭い空き地でやっているのだから、当然“場外”も多く、隣接している民家の窓ガラスを割ってしまい、のび太たちが戦々恐々とするシーンを見かけたことがないだろうか。案の定、そこに住む親父さんにカミナリを落とされる‥。問題は、描かれないその後だ。

 

窓ガラスの弁償は、一体誰がするのだろうか

 

彼が偏屈な親父であれば、剛田家が営む八百屋に、弁償金額を請求しにいくのもあり得る。あるいは彼が寛大な心の持ち主で「子供がやったことだから」と、一切の責任を追及せずに水に流している‥。よくよく考えれば、いかにも“もうリタイアしてます感”漂う、一見裕福そうな感じにも、あの家は見えなくもない。

ガラスの一枚や二枚、どうってことないのかもしれない。ただ、それも“毎回”となると、どうなんだろうか。 一度、窺ってみたいものだ。

 

Yロウ作戦

amazon.jpより

 

 

以前、札幌ドームで試合観戦中、選手の放ったファウルボールが女性を直撃し、片方の目が失明してしまうという、痛ましい事故があった。今後のことを思えば、彼女はたいへんな障害を負うことになるわけで、いたく同情はする。

しかし、彼女の場合も“その後”出た行動について、様々な議論を呼んだ。ケガをしたのは、注意喚起を怠った主催者側の責任‥‥。札幌ドームともに、北海道日本ハム球団をも訴え始めたのである。

 

 

裁判の経過をずっと見てきたわけではないから、詳しい事実は分からないのだが「自分の身に置き換えてみたら」というのは、よく想像した。私なら、どうするのだろうか。すでに事故が起きてしまった後の話と仮定して。

 

おそらく、日ハムは訴えなかった。‥正確には、訴えられなかったと思う。

長年愛してきた球団。だから、ある種“危険をおかしてまで”試合を観に行くのだ。日ハムを向こうに回して裁判で戦うことなど、やはり、私にはできない。どう考えても。

 

 

閑話休題。ファンであったか否かはさておき、彼女は訴えられずにはいられなかったのだろう。‥誰かを恨まずにはいられなかった。その怒りの矛先がまず球団に対して向けられた。気持ちは、なんとなくだが判る。私も同様なシチュエーションに遭遇したら、きっとそうしていた。

しかし、日ハムだけはどうしても無理だ。なぜなら、球団を愛しているからだ。「愛」が、怒りを勝っていると、信じたい。

 

 

大昔の東京本拠地時代。小川浩一だか、左バッターの流し打ったファウルボールが頭に直撃して、女性が運び出されるといったシーンを、テレビ番組で見かけた。ガラガラの三塁側内野スタンドで“ひとり観戦”していた、ツウと思しきあの女性は、あの後どうしたのだろうか。

 「カット打法」でファウルを量産する打者が多くなった今日‥他人事だと思わずに、常にあらゆる事態を念頭に置いておきたい。