ドラえもんファンの間ではおなじみの「ジャイアン映画版の法則」というのがある。
普段のヒールから、スクリーンを所狭しと駆け回る映画でのジャイアンは、正義のヒーローとなって、ときに主役を食うほどの大活躍をみせる。この事象を指す法則だ。
しかし、なぜだろう‥‥一貫して「悪」が「正義」の立場となったキャラクターには、憧れてしまう。ベジータとピッコロ、ネプチューンマンにバッファローマン‥‥。
“強さ”以外に、悪役たちは“かっこよさ”も兼ね備えている。孫悟空やキン肉マンは、どちらかといえば「三の線」だ。ゆえに、万人受けしやすい資質は持っているのだが、あまり憧れない。‥「孤高」がいいのかもしれない。「悪」には、クールがピッタリだ。
一方のジャイアン。映画で描かれる彼は、小学止まりなので、その後どんな大人になるのか、想像をするしかないが、クールはないだろう。「硬派」の可能性は高いが、女にモテる感じではない。腕っぷしの強さと、運動はなんとなくできそうなので、そっち方面での才能が活かし、たとえば格闘家やプロ野球選手にでもなれば、美しくはない容姿をカバーできる。あの主要男性キャラ3名の中では、いちばんの高給取り及びモテ男になる可能性が大だ。
amazon.jpより
‥ただ、小学生時点での彼らをみると、やはり、スネ夫という男はキープしておきたい。まず家が金持ち(裕福そう)だ。これは他者を引き離すのに十分な、アドバンテージ。何某のコネ入社もできるだろうし、そもそも彼は頭脳も高そう。金があるうえに、ビジネス方面でその頭脳を活用できれば、将来的にはヒトを雇う側の方になっていること請け合いだ。
実際に興味深いデータがあり、【あなたが結婚相手に選ぶなら誰?】というリアルなアンケートで、スネ夫は出木杉をも差し置き、ドラキャラナンバーワンの座に輝いている(下記参照)。小学生時点では、典型的な「長いものに巻かれる」タイプ。
嫌味で卑屈。性格もよくはなさそうで、モテるといった印象は一切ないのだが、先見の明だろうか‥。いつだって羽目を外さない彼を「安定」「堅実」そんなふうに捉えられるのかもしれない。
家柄もいたって普通、際立った才能もなく、ドラえもんなしでは生きていけない野比のび太は「絶望的」かと云われれば、意外とそうでもない。実写で妻夫木聡が演じたように、あの3名の中で、実は彼がもっとも“イケメン”である可能性が高い。
ダサ眼鏡でカムフラージュされていて、よく判りづらいが、ジャイアンのごとく太ってもいないし、スネ夫なごとく歯も出ていない‥。顔や体のバランスの良さは、のび太が一歩も二歩もリードしている。
ドラえもんなしでは生きられないと書いたが、これを「オンナなし」に置き換えると、もはや慈愛である。ダメンズ好きも、世の中には一定数存在しており、のび太があのまま?イケメンに成長すれば、何も将来を悲観することはないだろう。オンナが彼を放っておかない。
三者三様、未来は決して、暗くないのである。
≪参考≫