センテンス・オータム

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「王手」を手繰り寄せた、外国人投手の好投

昨季もレンジャーズで17勝をあげたコルビー・ルイス、2年連続40セーブ以上のデニス・サファテ、今季「沢村賞」を受賞したクリス・ジョンソン‥‥

彼らに共通している点。カープの投手であったということ以外に、まだ重要な共通点が3投手にはある。

 

 

今週号のサンデー毎日二宮清純氏のコラムを見て私も驚いたのだが、現駐米スカウトであるエリック・シュールストロムの推薦だったらしい。噂は耳にしていたけれど、彼の“目利き”がここまで優れていたとは。

現役時代、カープではほとんど活躍できなかったが、こうしたカタチで優秀な人材を次々と供給してくれるのだから、あのとき、ハムから獲得した甲斐があったというものだろう。

 

云われてみると、サファテ辺りとは何か通ずる。ダルビッシュ、増井らが登場してくる前の、2000年代半ば頃まで‥‥筆者が直に“目撃”したハム投手陣の中では、シュールストロムが「球速」ナンバーワンだった。

1998年の西武戦(西武球場)。田辺徳雄に投じた、浮き上がるような154キロの“鬼直球”の軌道は、18年経った今でもよく憶えている。バットにかすらせもしない、異次元の豪速球‥。グロスだウイッテムだ、軟投派の外国人投手が主流であったあの時代において、彼の速さはずば抜けて「メジャー級」だった。

 

 

 

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昔話をしてしまった。

日本シリーズ第5戦。件のシュールストロムが連れてきたジョンソンの好投により、中盤まで劣勢の展開をしいられながら、最後は西川遥輝のサヨナラ満塁ホームランという「劇弾」で決着。大きな一勝を手にした日ハムだが、勝因をあげるなら、相手のお株を奪う「外国人投手」たちの好投だ。

 

 

まずは、1回途中でマウンドを降りた加藤に代わり、二番手で登板したルイス・メンドーサ。満塁のピンチを切り抜けると、そのまま7回まで投げ切った。「今季イチバン!」と形容したくなるほど、直球・変化球のキレともに抜群。球速150キロの前後のツーシームを軸にゴロの山を築いた。

 

そして、もうひとり。アンソニー・バース。5戦のうち、4試合に登板して2勝。今シリーズ「投」で持ってる男といっていだろう。ペナントレース最終盤は、中継ぎに専念して11回1/3を無失点フィニッシュ。マーティン不在の救援陣にあって、バースが好調を持続させているのは頼もしいかぎり。

 

日本シリーズでも期待通りの働きを見せてくれている彼らであるが、そもそも今季の優勝はこの“アタリ”外国人投手たちの活躍なくしては考えられない。補強は完璧だった。

 

 

サンデー毎日 2016年 11/6 号 [雑誌]