センテンス・オータム

ディープ・マニアック・鋭く「DMS」 様々なアレについて... (シーズン中は野球ネタ多し)

岸孝之の胸中 「ほんとのところ」

一言多くてウザがられる‥。ひとつの組織に、大抵ひとりはそういった輩がいるものだろう。仮に私が岸孝之だったら、あのとき、内心こう感じていたにちがいない。

 

余計なこと言うな

 

 

マジック1で地元・西武プリンスに乗り込んできた、9月27日の北海道日本ハム戦。目の前での胴上げを阻止すべく、先発の岸が圧巻の投球を披露した。勢いのある相手打線を7回4安打無失点に封じ、一矢報いたのである。

 

‥実はこの時点で、すでにFA移籍が囁かれており「西武のユニフォームを見るのは最後の可能性も」と、放送席でもしきりに触れられていた。私も、いつにも増して“鬼気迫る”といった塩梅の岸の投球ぶりに、それを予感せずにいられなかった。もしかすると、彼の胸の内では「西武退団」の流れの方に、ほぼ傾いていたのかもしれない。

 

それだけに、あのときの炭谷銀仁朗‥‥。

岸と共にあがったお立ち台で、一言一句正しくは記憶していないけれど、たしか『岸がチームに残ってくれることを信じている』そんなような言葉を、大観衆の前で口にしていた。

 

隣で神妙な面持ちの岸‥。たとえ僅かでも移籍に傾いていたのだとしたら、彼にとって、まさに「余計な一言」であっただろう。炭谷発言によって、チームを安易に離れづらくなるのはおろか、移籍後も、西武ファンからはまるで「裏切者」のような扱いを受けてしまうのが、目に見えている。

おそらく、炭谷とてファンやチームメイトを思っての発言なのだろうが、岸本人の想いは置き去りにした行為。‥去るか残るかで揺れていた千葉ロッテ成瀬善久(現東京ヤクルトの際も、以前同様な光景が見られた。

今の成瀬は、はたして千葉ロッテのファンから愛されているのだろうか。あれほどチームに貢献してきた彼も、某S選手から声高に発せられた「残留願い」によって、ヒールと化してしまう‥恐れもある。公の場での“不用意な”発言は、渦中にいる選手のためにも、誠に控えてあげてほしい。

 

 

 

オーナーズリーグ24弾 / OL24 / HR / 岸孝之 / 西武 / OL24 042

 

 

しかしながら、岸ほどの投手が、あまり「需要」が高くなかったのには、驚いた。先発の柱となり得る、二桁勝利を望める岸孝之は、今年のFA市場にあって、もっとも惹かれる存在。まして、今季最終戦での、あの神がかりな投球を魅せられたら‥。

 

それでも来シーズンで32歳となる年齢的な部分と、やはり、高額な年俸も影響しているのか。‥今のところ、獲得に手を挙げているのは東北楽天くらいのようで、まもなく交渉が成立する運びとも訊く。

 

もし、楽天・岸」が本当に誕生したら、もともと先発の頭数は揃っており、優秀な外国人選手を擁して打線も悪くないイーグルスは、一気に優勝候補へと引き上げられそうだ。ソフトバンクを退団した細川を獲得し、バッテリーを強化している点も、なかなか侮れない。

今シーズンのペナントレースを突っ走った日ハムとソフトに加え、楽天も割って入ってくるだろう来季のパ・リーグ戦線。そして、個人的には、西武ドームで「敵」として投げる岸に、西武ファンがどのような反応を見せるのか‥‥こちらも、ひそかに注目してみたい。