バスケ界には「花の78年組」なんてものが存在するらしいが、野球はどうなんだろう
‥この世代は“エアポケット”だった気がする。一個上に福留孝介(PL)がいて、一個下に川口知哉(平安)、二個下には、あの松坂大輔(横浜)がいた。プロ入り後の活躍云々は置いといて、それぞれドラフトのシンボル的存在となった男たち。
1978年生まれが高3にあたる1996年度のドラフトおいては、そうしたいわゆる「目玉」選手が不在で、いささか寂しい思いをさせられた記憶がある。無論、ドラフトのときは騒がれなくても阿部慎之助や武田久、森野将彦といった、のちにプロで大成した選手はそれなりにはいるが。
ただ、野球界は“不発”だったとしても、歌謡界に目を向けてみると、これが「大当たり」だった。こと国産・歌姫に限っていえば浜崎あゆみ、MISIA、椎名林檎、持田香織、矢井田瞳.....
いずれも一時代を築き、また現在も一線で活躍し続ける“猛者”ぞろい。嬢たちが売り上げたCD枚数を合算していったら、おそらく日本の総人口にも匹敵するほどではないだろうか。そんな嬢らと“タメ”いることを、今では誇りにすら感じる。
この中で注目に値すべきは、なんといっても浜崎あゆみだろう。いまひとつパッとしなかった若手女優がレコード大賞の常連‥‥まさか歌手として売れ出してしまうとは。
ドラマ【未成年】を視ていたときも、たしかに特徴的な声はしていたけれども、ここまで華麗なる転身を遂げた有名人も、稀だ。彼女を音楽の道に導いてくれた人との出会い‥。つくづく人とを結ぶ「縁」は、大事だと思う。
転身といえば、「キャラづくり」も功を奏した。歌手としてデビューしたての頃は、華原朋美よろしく、どちらかといえば“天然キャラ”を売りにしていた。売れ出したら、そんな場面を微塵もみせなかったところを見ると、あれは明らかに「戦略」であったのだろう。神田うのと同じ戦略である。
大昔、ライブ(会場)スタッフとして、運よく間近で見かけた浜崎は、いかにも大物然としていた。一介アルバイトの『お疲れ様です』の掛け声にも、当然のようにスルー。‥タメだけど仕方ない。向こうは天下無敵のアユ様だ。
ライブの開始が遅れたうえに、他のアーティストが通常20曲以上唄うのに対し、当日のアユ様は10数曲しか披露せず、会場の客からは不満も声も聴かれた。彼らは関係のないスタッフに、きまってわざと聴こえるように言う。まぁ、当時好きだった【Fly high】を“タダ”で聴けた私的に満足だったが。
「浜崎あゆみ」で検索をかけると、サジェスト機能によって“劣化”などといった、いかにもネガティブな単語が続くことが、最近多い。
‥とんでもない。SNSで配信される彼女の近影は美しく、若々しいままだ。時おり、「同級生」だった長瀬智也とあのまま結ばれていたらどうなっていたか‥そんな夢想をしたりもするけれど、今も彼女は幸せらしい。
気づけばもうアラフォー、「アユ世代」みんな幸せになろう。
Ayumi Hamasaki - Fly High (Sub español)