【愛人の鑑!松方弘樹を看取った山本万里子「女の道」】
そう題されたセンテンススプリングの記事によると、愛人とされる山本万里子と松方氏が出逢ったのは1991年とのこと。氏が妻子持ちだったために「略奪愛」ともいわれた。これに引け目を感じていた彼女は入籍はしなかった。だが、“松方の妻”として生涯寄り添っていたのだという。‥最晩年の松方氏の様子といい、なかなか泣かせる記事だ。
当該記事で、驚いたことが二つ。ひとつは出逢ったとき、山本がまだ10代のホステスであったこと。一方の松方氏は当時、50手前といったところだ。無論、彼女の方が見初められてのものだけど、そんなに若い娘が、妻子持ちかつ昭和のビッグスターといわれた男に走る心境とは、いかがなものであったのか‥。
氏は、たしかに色んな女性から愛されただろう。見るからに優しそうだ。筆者など、特に【天才・たけしの元気が出るテレビ】と【刑事貴族】を見て育った世代‥。だから、余計にそう感じる。
“演じていない”ときの姿は、端正な顔にいささか不釣り合いな、矢鱈甲高い声を発したり、大笑いしてかいた額の汗を、一生懸命ハンカチで拭っていたり‥。年上の男性に対して失礼ながら、それでも言わせてもらえば「お茶目」という表現がピッタリな人だった。
「元気TV」では、共演していた木内みどりに、おもわず抱きついてしまうシーンがあった。しかし、氏がやるとまったく“自然”なのである。中年特有のヤラしさみたいなものが感じられない。‥おそらく甘え上手でもあったのだろう。このギャップに、女は虜になる。
左腕にはいつも黄金に光る高級腕時計が‥
もうひとつ、驚いたのは、不倫にいたった時期。1991年といえば、それこそ「元気TV」に勢いがあった頃だ。あんな柔和な顔をお茶の間で見せておきながら、裏で男女の愛憎劇をリアルに繰り広げていたとは、まるで想像 もできない。“松方部長”おそるべし、だ。
‥訃報を訊いて、思い出したのだが、毎週欠かさずに視ていたのは、考えてみたら日曜20時の「元気TV」くらいである。夕食時に、家族そろって視聴していた。たけし社長が番組の最終回で『今日のバラエティ番組の礎を築いた』そういったようなことを口にしていた記憶がある。ひと際観覧客からの歓声が大きかった企画【勇気をだして初めての告白】など、たしかに、趣の似た番組が現代でも多数見受けられる。私もなにげに好きだった。
ちなみにプライベートで“社長”と“部長”の付き合いは、一切なかったそうだ。仕事上で関わる男とは、必要以上に深い付き合いをしたくなかったのかも知れない。女好きの松方氏らしいといえば、らしい。