センテンス・オータム

ディープ・マニアック・鋭く「DMS」 様々なアレについて... (シーズン中は野球ネタ多し)

斜め横からみた 「世にも奇妙な物語 2017春の特別編」

半生を振り返ってみると、自分にこれといった「奇跡」など、施されなかった。まぁよくいえば、わりと平々凡々とした日々を送っている。

 

『何かいいコト起こらないかなぁ』

 

私の若いころの口癖。‥まったくもって他力本願。自ら、その何かをつかむ、つかもうという発想すらない。ただ、「奇跡」というものが本当にあるのなら、自らが動かなくても“いいコト”は向こうから、音もたてずにやってくるのではないか。いや、むしろ、それこそが「奇跡」のはずだ。

 

 仮に宝くじが当たって大金を手にできたとしても、クジを購入するという行為を、自らが行っている。たまたま出合った美味しい街の洋食屋。これもお腹さえ減っていなければ、立ち寄ることはなかっただろう。したがって、お店を見つられたのは偶然だけれど、店に入り、美味しいご飯を食べられたのは「必然」である。

 

では、私にとって、私が「奇跡」と呼べるそれとは、いったいどんなものなのか。‥答えはすでにでている。

 

ある日突然、見ず知らずの無茶苦茶かわいい子に『好きです』と、愛の告白を受けるーー

 

そんなシチュエーションを夢見て、四半世紀強‥。まだ、私に奇跡は施されていない。

 

 

今春の「世にも奇妙な物語」も、がひとつテーマだったように思う。夢と現実の区別がつかなくなってしまった女子大生‥‥理想の「お城」を築くために、過激な妄想を繰り返す女‥‥様々な役を完璧に演じられる、俳優になりたかった男‥‥亡くなった妻の記憶を辿っていく夫‥‥。

 

 

世にも奇妙な物語2 [DVD]

 

 

10年後には、4人だか5人にひとりの割合で認知症患者がいると云われている。先日も新潮にあった大江舜氏のコラムを読んで戦々恐々としていた次第だが、今後は【妻の記憶】のような作品が、世にも奇妙でも増えていくのかもしれない。

 

娘の結婚式当日、主人公がスピーチを始めるシーンから始まる。回想していく物語だったが、なかなかに手が込んでいた。死の翌日から、妻の幻をみるようになった夫。晩年、認知症を患っていた妻の記憶を、幻は、忠実に再現していく。それをみた夫は、このとき初めて妻が長年抱えていた寂しさや、孤独感というものを知ることになる。

 

主人公を演じた遠藤憲一の好演も相まって、 おもわず私も涙腺が緩くなってしまったが、最後はまた世にも奇妙らしく、考えさせてくれるオチだった。あの公園に佇んでいた夫のラストシーン‥‥。私たちはどう解釈すれば良いのだろう。二通りの解釈の仕方があったと思う。

 

1.あれは、結婚式から数年後の出来事で、夫も妻と同じ道を辿ることになってしまった

2.そもそも、妻の幻をみていたのではなくて、夫自身が生前の妻と同じ行動を取っていた

 

2のパターンはせっかくの感動に水をさすようで、あまり考えたくはないが、遠藤氏が少し“イッてしまった”感も受ける表情をしていたのと、電車に向かって手を振っていた挙動が気になった。「妻の記憶」によれば、公園から電車に向かって手を振っていたのは、たしかに妻の方である。となれば、途中、その話に触れていた老人も、物語のキーポイントになっていたということになる。あのラストシーン、皆様はどう解釈しただろうか。

 

 

ふと振り返ってみれば、永作博美‥。彼女が世にも奇妙、主演とすれば最多出演なのではないか。正確な統計をとったわけではないけれど。

ここのところ【雰差値教育】【缶けり】と、比較的アタリ作品に恵まれている。今回の【一本足りない】は、やや粗雑な印象を受けた。“CM効果”もあって、なんとか物語として成立させたが、展開がアチコチにいきすぎた。夢オチとか、CMのないDVDでは通用しづらい。永作嬢という演技派を持ってきたのに、活かしきれなかった。

 

 【カメレオン俳優】は、まずまずの評価。こちらはラストシーンに高得点(エロいシーンも◎)。絶妙なスパイスとなって、効いた。それと主人公のライバル役だったカメレオン俳優は、平山浩行というのか‥‥。お初だが、いやに渋かっこいい男で、正直、主演よりも気になった。

 

【夢男】は、ごめん‥。問題外(苦笑)。まぁこの手の作品は、子供向けであったということで。だからほら、作品順も一番目だったし。それからショートの【しりとり家族】。意外と好きだった。くだらねーけど(笑)。しりとり推奨、世のお父さん方もアレ見て、元気出してほしい。

 

い?イギリス⇒スイス⇒スリランカ⇒カザフスタ‥ あっ!

 

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