センテンス・オータム

ディープ・マニアック・鋭く「DMS」 様々なアレについて... (シーズン中は野球ネタ多し)

【魂でもいいから、そばにいて】 奥野修司

もう何人、身の回りの人間が死んだだろう....

 

 

弱冠30代にして、結婚式よりも葬式に参列したことの方が、はるかに多い。「死」は、常に私の身近にあり、“こちら側”とをつなぐ魂の行き来は何度も目の当たりにしている。だからなのか、彼らからの「メッセージ」を、いつしか私も“受信”するようになった。

 

‥「目の当たり」といったが、実、それは目に見えるものではなく、“感じる”ものだ。実体をもって我々の前に現れることは、当然のことながら、決してない。俗にいう『霊感が強い』などと呼ばれている人たちは、感じるか、感じないかの差だけ。死者の魂はごく身近に、確実に存在している。

 

また、それは私たちが“望んで”現れるものでないのは、以前にも触れた。何か特別な強い意志を持って伝えたいことがあるときのみ、向こうの方からやってくる。‥以外には、人間にも性格の違いがあるように、魂にもそれはあり、ふいに我々の前に現れて驚かせたり、喜ばせたりといったことはある。

 

では、実体を持たないのに、彼がどのようにして遺されたものへメッセージを伝えるのかというと、多いのは「夢の中」である。夢の中の彼らは姿を持ち、話すこともできる。だから、実際に霊を見たなどとヒトは錯覚を起こしやすいのだが、それは現実的にはあり得ない。

 

あと、メッセージまでいかないものの、彼らがよくするのは、生前愛用していた物が勝手に動いたり、作動してしまったりといった現象‥。これは似た体験をされた方が、意外と多いのではないか。悪戯の類ではなく、夢をみない主に存在を知らせる手段として、向こうがやっているもの。

 

私は、ボクは、いつもあなたの隣にいます‥と。

 

 

どうしようもないヘンな怪談話の類に仕上がっていたら、私はそれをゴミ箱に捨てるところだった。しかし、その本は違っていた。“体験者”からみても、奥野修司著【魂でもいいから、そばにいて】は、「真実味」があるといっていいだろう。

 

 

 

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魂でもいいから、そばにいて ─3・11後の霊体験を聞く─

 

 

収められていたエピソードの多くは、私が綴ったような夢の中で故人と出逢ったり、子供のおもちゃの話や、故人に導かれるような現象が起きたというもの。タクシーに霊を乗せた‥いつの間にかヒトが消えていた云々などの話は本書にはなくて、心底安心した。

 

もっとも、著者は怪談じみたようなものは“あえて”掲載しなかったと、あとがきで綴っていたのだが、その判断は正しかったと思う。もし、そうした話まで掲載していたら、本の価値をさげ、あげく魂の在り方を読者に誤解させてしまうところだった。おかげで本質により近づく本となった。

 

 

つい先日も、まだ若い著名人が亡くなり、あらためてヒトの「死」と向き合った方も、多かったのではないか。だが、これだけはいっておこう。肉体は失くとも、魂があなたを見守っている。自棄にならずに生きなさい‥‥。

何かの拍子であなたが揺らいでしまったとき、かならず、何らかのカタチでメッセージを伝えてくれる。それに励まされ、前向きに生きてこられた被災者方の話は、その手助けをしてくれるだろう。

 

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