センテンス・オータム

ディープ・マニアック・鋭く「DMS」 様々なアレについて... (シーズン中は野球ネタ多し)

GW直前SP【読書記録】2冊

最近こんな記事を見かけたのだけれど......

 

 

www.okinawatimes.co.jp

 

高齢化社会‥に別に触れたいのではなく、この102歳の御方の生まれ年が1916年で正しければ、“学年的”には伝説の名投手・沢村栄治と同じわけで‥‥。戦争にさえ行かなければ、沢村氏が今も存命だったことも、十二分に考えられる。そう考えると、実に惜しくてたまらない。

先日、亡くなった高畑勲氏の追悼とし【火垂るの墓】の放映されていて、たまたまそれを観ていた。‥毎回感じるのは、なぜアメリカという国に対してそこまで従順になれるのだろうかと。どこかの国の、日本に相対する感情ではないが、でも同じくらい“憎悪”の念を抱いていてもおかしくはないのに。‥むろん、今日の日本があるのは、たしかにアメリカを中心とした諸外国のおかげでもあるのだけれど、類似の作品を拝見するたびに、怒りにも似た感情を覚えてしまう。

 

うちの近くにも米軍の基地があり、否が応でも「占領」を意識させられる。

あの“事故”のことは最近放送されていた「視聴者が注目したニューストップ100」のような番組で知った。操縦不能に陥った無人の米軍戦闘機が、日本の民家に墜落したという、あってはならない事故。これにより幼子ふたりと、その母親が亡くなったという‥。私はおおいに気になって、関連する文献を漁り、手に入れたのがこちらの本。

 

 

「あふれる愛」を継いで―米軍ジェット機が娘と孫を奪った

 

一言‥‥辛い。タイトルのとおり、墜落した戦闘機「ファントム」が一家のすべて奪っていった。母親には先に逝ってしまった我が子の死を伏せようと、周囲は必死に「演技」をする。過酷な入院生活をしいられた母親を少しでも元気づけるために。しかし、いつまでも「嘘」を突き通せるはずもなく、真実を伝えなければならない日が、かならずやってくる。子供の存在を“生き甲斐”にしていた母親は、そのとき‥‥。

 

できれば、その母親が書いた日記のほうを読みたかったが、そちらは絶版になっているらしく、本書は彼女の父親が著。なぜなら、事故の全容は本書でも概ね解ったけれど、病院やら政府への対応についての“不満”の記述が多く見られたから。当事者にしか判らない“親目線”が、おそらくそうさせたのであろうが、私から言わせれば悪いのはすべて米軍である。

 

事故の真実を知りたいだけなのと、まがりなりにも書籍として市場に流通しているのだから、ここは私も本の感想を正直に述べている。‥と、一応。

「賠償金」の云々も、その手の話が好きな人なら良いだろうが、かなり生臭い。当人は『お金の問題ではない』と何度もしながら、たとえば

 

当時、青葉台駅前のわが家のあたりの土地価格は、一坪百万前後。和枝の賠償額では、概算払いを含めても、わずか百坪買えるかどうかです。和枝の命の値段があまりにも小さく見積もられたようで、涙が流れそうになりました

 

このような具合で、むしろ“率先”している。‥実際そうだとしても、いくらでどれだけの土地が手に入るとか、やめてほしい。人の命は何にも代えられない。‥ちなみにその多額な賠償金を支払ったのも、米軍ではないのだ。こんな胸糞悪い話があるか。

‥だんだんと気分が悪くなり、おもわず途中で本を閉じようかとも思ったけれど、終盤、賠償金を福祉施設の建設に充てたという話で、幾分救われた。私が本書で得たのは、またしてもあの国へ憎悪の念を膨らませる、ただ“皮肉”だけなのであった。

 

 

読書記録、もう一冊目‥‥父・横山やすし伝説

 

 

父・横山やすし伝説

 

 

故・横山やすしの息子、木村一八が著。

正直にいうと“やっさん”を面白いと感じたことは一度もないし、ヒトとしても好きではない。やっさんの方だって、私のような屁理屈ばかり並べる人間は大嫌いだろう。言葉よりも、まず拳が飛んできていた可能性が高い。

ただ、しかし‥彼の“生き様”というか、そういうのが好きで、だいぶ以前から注目してはいた。『この人は、どこまで好き勝手に生きているんだろう』 庶民には到底理解しがたい言動、行動の数々‥‥。破天荒とは、この人のために存在する言葉ではないか。まるで珍しい生き物でも見るかのように、興味本位で過去の伝説やら武勇伝は、人並みに知っていたつもり。

 

やっさんが、実は「酒嫌い」というのは意外だったが、本書は私から言わせれば“超ド級”の仰天話がズラリ。現在でも未解決となっている、謎の暴行事件の犯人を知っていると宣ったかとおもえば、著者自身が犯したタクシー運転手への暴行事件についても言及している。

これは、大丈夫なのか‥‥。実名入りで、他者が関与していたことに触れ、自らはヒーロー気取りといった塩梅。驚いた。もし、書かれていることが事実ならば、世間の彼への見方も変わってきそうなものだが、すぐに少年院での派閥争いを自慢?していたあたり、如何せん信憑性には欠ける。

 

著者がどうよりも、本のタイトルにもなっている横山やすし氏の人となりを知りたい方なら、一見の価値はあるとみていいだろう。想像以上の金遣いの荒さ‥愛人、家族との関係‥「身内」ならではの、至極プライベートな部分のやっさんに迫っている。

 

 

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