センテンス・オータム

ディープ・マニアック・鋭く「DMS」 様々なアレについて... (シーズン中は野球ネタ多し)

人物研究vol.1【加勢大周】ーのじまにあー

1994年だから、もう24年前......

 

 

こんな頃から北朝鮮の核問題に触れた台詞があったり「セクハラ」なんて語句も使われている。もちろんこれらの事象は当時からあったはずだけれども、先日、あらためて人間・失格 たとえばぼくが死んだら】を見、現代社会とリンクしていたことにハッとさせられた。

 

『鳶が鷹を生む』のトンビをバンビと言ったり、修和学園の教師たちが居酒屋で酒をくらっている場面しかり‥初回はまだ【101回目のプロポーズ】の延長線上にあるような“笑い”の要素もあったが、回を追うごとに目も当てられないシーンが続出し、物議を醸した同作品。

“黒幕”とされていたのは、時期設定は真夏だったのに、毎回パステルカラーのセーターを着こなしていた社会科教諭の新見悦男。演者は加勢大周である。

 

 

第1話 君との出逢い

(C)amazon

 

盗癖を持つ同性愛者で、盗撮が得意。その撮った写真の数々を「芸術」などという、たいそう癖のある人物を演じて話題になった。「新見役」によって以降の仕事が激減してしまった‥そんな説もある。ある意味、彼は役にハマりすぎていた。

 

たしかに「新見役」が決定的となったのかもしれない。が、そもそも主演でもなければ完全に「悪役」といっていいこの役を、彼がどうして引き受けたのか?ということ。‥つい2、3年前ではアイドル級の人気を誇っていた男。NTV系【生ダラ】のあとに放映されていたドラマ【ポールポジション 愛しき人へ】の頃なんか、“イイ男”の代表格のように扱われていた、あの加勢大周が。

 

 


アサヒ スーパードライ CM【加勢大周】 1992 アサヒビール

 

 

‥その最中にあった事務所の独立騒動が、やはり大きかった。今も昔も、1タレントのワガママや勝手な行動は許されない。他方よりなんらかの圧力がかけられるケースは多々あると訊くし、現に彼も移籍後「芸名」をめぐって裁判沙汰にまでなった。

これに関しては【笑っていいとも!】出演時、司会のタモリからかけられた(金銭絡みの)言葉によって、独立を決断したという真偽のほどが定かではない情報もある。こうしたトラブルや妙な噂話も相まって、爽やかなイメージが損なわれてしまった感は、正直否めない。そして【人間・失格】と巡りあった。

 

当時飛ぶ鳥落とす勢いだった「野島作品」に出演するのは、彼にとって悪い話ではなかったはず。人気を挽回する良い機会‥‥オファーが来た時点では、あるいはそんな思惑もあっただろうか。

 

本作での加勢は本当に災難。婚約者役であったはずの桜井幸子とのキスシーンは当然のごとく皆無で、男堂本光一とだけ‥。彼にはさぞ耐えがたい役柄ではなかったか。

問題シーンの多さや出演者の不祥事によってソフト化されない作品は数多にあるが、同様に過激な描写が多かった【人間・失格】は、のちにDVD化まで“しっかり”されている。後世に語り継ぎたい名作のひとつではあるけれど、彼だけは‥もう二度と見返したくないにちがいない。

 

 

人間・失格-たとえばぼくが死んだら- DVD-BOX

 

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