久々の感覚だったのではないか.......
昨シーズン、中島卓也の「生涯初本塁打」が界隈で注目を集めた。今季もすでに1本かっ飛ばしており、以外のシーンでも鋭い打球を連発させていることから、ホームランとまったく“無縁”ではない男となった。
‥個人的にはこの中島卓以上に、ホームランをまったく連想できない選手がファイターズにいる。巨人から移籍してきて3年目の大累進だ。野球選手にしては小柄な身長175センチ、これに一般人ともさほど変わらない線の細さも相まって、いかにも“非力”といった印象が拭いきれない。私の中では、まず本塁打が期待できない選手‥‥
で、あったのだが7日のファーム、横浜DeNAベイスターズ戦(鎌スタ)で今シーズン第1号を放った。あの大累が、レフトスタンドへ‥目の覚めるような弾丸ライナーの一発。
一、二軍あわせたファイターズではもちろん、調べてみたら巨人にいたときもホームランは記録していない。‥それどころか道都大時代も、1本も打てていなかった。さすがに中島卓也ごとくな「生涯初」というわけでもないだろうが、おそらく彼にとって相当久々な“柵越え”だったはずである。大累、二軍とはいえ、えーもん観せてもろた。
『えーもん』と言えば同日、清宮幸太郎がイースタンリーグで二桁、10号一番乗り。熊原健人の甘い変化球を見事にとらえ、右中間に特大のアーチをかけた。その弾道は一軍で放ったプロ第一号のときのものと、少し似ていた。
実は前日の試合が雨天ノーゲームとなっており、この試合でも初回に“幻の第10号”を放っている。外角の直球を逆らわずに、レフト方向に流し打った技ありの一発‥。ますます「アーチスト」としての真価を発揮してきた、今日の清宮幸太郎。
イースタンで2番目に多い9本打っている巨人の和田恋が同日現在、177打数を費やしているのに対し、清宮はその約半分。85打数で10本なのだから、凄まじい「本塁打率」である。そんな彼をいつまでも二軍に置いておくわけないだろうが、仮にこのままいけば中田翔以来、30発にも届きそうな勢い。
(C) Calbee.2018
◇高梨裕稔「地味な安定感と意外だった得手」
一軍はきょうからカードが変わり、敵地で横浜DeNA戦。相手は連敗中、比較的得意としているこのカードは、最低でも勝ち越しておきたい。
ファイターズの先発を務めるのは高梨だ。今や他球団も一目を置くマルティネス、上沢の影に隠れているが、彼も開幕からローテーションを保って、ここまで4勝(2敗)と、チームの上位進出に一役買っている。
高梨のような分かりやすい「パワーピッチャー」は、当初スタミナの面が心配だった。しかし、9度の先発機会で6試合にQS(6投球回以上3失点以下)を達成している。4回途中でマウンドを降りた4月11日のホークス戦以外は、最低でも6イニング以上投げていて、首脳陣にとっても有難い投手。
ちなみにベイスターズ戦とは2年ぶりの対戦。このハマスタで行われた試合で6回1安打投球の「快投」を披露し、新人王獲りへ猛アピールに成功した。昨シーズンは神宮で7回1失点の好投、ZOZOマリンでも計18イニングスを投げて防御率2.00と、もっとも安定していた。今季も仙台で6回を投げて2安打無失点。得意の「屋根なし球場」で5勝目となるかーー