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【野島伸司に描かれる者】エースの芸能日誌 《7月17日版》

なんかこう、人生に疲れているときや行き詰ったとき【世紀末の詩】が観たくなるんだよーー

 

この感覚、一度でも観たことがある人にしか解らないだろうなァ。めっちゃ主観。

‥いやね、今から20年前にNTV系で放映されていたテレビドラマなんだけど、毎回『愛とは何か』を追求し続けるといった、基本、一話完結型のていで、いかにも日テレさんが好きそうなテーマを取り扱っていた。脚本を務めたのは、野島伸司‥‥。

 

あとから思ったのは日テレがどうこうよりも、野島氏が本当に“やりたかった”作品がコレだったのではないか?ということ。あの当時、ことドラマ部門に関してはTBSとフジの後塵を拝していた日テレ。ここなら「視聴率度外視」で、自分の書きたかった作品が描ける‥そう踏んだのではないか。

実際、作風は「トレンディ」でも何でもなく、主演の竹野内豊にはダサいツナギを着させたりなんかして“万人に”視てもらおうといった意志は、同作品からは決して伝わってこなかった。それこそ、もう本当に視たいヤツだけ視にくればいい‥そんな「挑戦的」な感じすらもした。したがって事前に作風を知った前述の局が、【世紀末の詩】の放送を丁重にお断りした‥‥という噂も、まことしやかに飛び交ってくらいである。

 

 

第1話

(C)amazon

 

 

◇「水曜22時」に帰ってきた野島

 

先週から始まった、やはりNTV系【高嶺の花】。曜日と時刻も、20年前のあのときと同じ。‥驚いたのは、主人公が結婚式の直前になって逃げられていた、というかフラれていた点。ここも重なっていた。

 

事前知識をまったく持たずに観させてもらったが‥‥どうなのだろう。

一応、ラブストーリーに仕立て上げたいという意志のようなものは伝わってきたけれど、コメディ的な要素も各所で散見でき、なにか「中途半端感」が拭えなかった。第一話を視聴してみて、筆者は正直、こう思った。

 

腕が落ちたなぁ と。

 

そんなこと、とうに解っていたことなのだけれど、どうしても“続き”を観てみたいとは思わない‥。奇抜な着想こそ野島氏の十八番とするところだが、同棲よろしく、いきなり主演の男女が一緒に朝食を摂っているところとか、順序をすっ飛ばしているあまりのハチャメチャ具合に、泣けた。‥意味が解らなすぎて。

 

ともかく、石原さとみが持つアラサー女の色気と、クチビルに頼りすぎ。初回を観たかぎりでは完全に『石原ありき』と作品となってしまっている。‥いや、おそらく以前のようなストーリーの重厚さだとかは、これから存分に展開されていくのだろうが、野島氏が単なる“石原ファン”だったのではないかと疑ってしまうほどの、ひどい出だし。

やはり、彼女の1ファンである筆者も、気持ちは解らないでもない。が、『プーさん』というネーミングや、劇中の彼女を『イイ女』と称する“イケてなさ”は、いかにも古く、そして滑稽だ。

 

‥誤解しないでほしいのは、過去「野島作品」に深い感銘を受けてきた私はある種、彼に尊敬に近い念も抱いており、脚本家としての実力は、今でもナンバーワンだと思っている。人並み以上に多くの作品を目にしてきたなか、“批評家”として、ときおり厳しい言葉を投げかけてしまうこともあるが、これも“愛するゆえ”であるということを、皆さまには認識していただきたい。過度な期待はせずに今後も緩く、この【高嶺の花】を見守っていけたらと思う。

 

 

◇抱かれたくない男・ナンバーワンの逆襲

 

お笑いタレントの明石家さんま氏が、久方ぶりにテレビ東京の番組に出演したとして話題になっていた。氏が“復帰”の場所として選んだのが、出川哲朗の番組だった。

 

bunshun.jp

 

 

かつて、どのお笑い芸人だったか失念してしまったのだけれども『俺の人生、野島伸司に描かれているよう』そう表現した者がいた。それくらい現実離れした、波乱に満ちた人生を送ってきたという意味。そういう意味では、この出川氏も極めて「野島的」といっていい。

女性誌などで常に「抱かれたくない男」のトップに、長年君臨し続けた出川氏。そんな彼が今や好感度タレント上位につけて、ついには冠番組まで持ち、さらに高視聴率を記録している‥。一度きりの人生で、これほどの「大逆転劇」も極めて稀なケース。

逆なら悲惨だった出川氏の「野島的」芸人人生。氏をみていると、なんだか最近とても勇気づけられる。

 

 

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