センテンス・オータム

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【札幌ドームで、また会いたい‥石井裕也】エースのやきう日誌 《9月23日版》

22日、満員札止めZOZOマリン千葉ロッテ福浦和也が2000安打達成.......

 

 

この記録って、ここを単なる通過点と見なす者と「2000」を終着点のように設定する者‥‥ふたつのタイプ、選手がいると思う。たとえば今年同じ記録を達成したソフトバンク内川聖一。彼はまだまだ現役を続けるだろうし、本数もこれから増やしていくはず。

正直、ベテラン・福浦にかんしては“2000本安打のために”現役でいさせた‥とまでは言わないまでも、首脳陣がそれを意識して、出場回数を増やす配慮が見て取れるときもあった。したがって、どうしてもスタメン出場はかぎられ、代打での出場も多く、記録達成は困難と思われていた。

「福浦のパターン」と酷似していたのは、元ファイターズ・田中幸雄。残り100本を切ってから「2000」まで4シーズンを費やす。この間、やはり代打や試合の形勢が決まってからの出場が大半で、彼の記録が他の選手やファン、みんなの悲願でもあった。そして、無事2000本安打を達成し、みんなに見届けられて引退‥。

この田中氏が同日のファイターズ戦で野球解説を務めていた際、福浦について触れていたのだが、自分のことのように喜んでいたのが印象的だった。

 

『我々が元気な頃からやっていた選手』

 

もう現役を引退して10年も経つ、田中氏からの言葉には、とても重みがあった。肘を故障してから一塁を守る機会も多かった氏と、あるいは塁上で言葉を交わしたこともあっただろうか。これからは名球会の先輩と後輩、といった間柄になる。

個人的には、ロッテにいたジョニー黒木氏が好きで、あの1998年‥日本新「17連敗」の映像を今でもたまに見る機会がある。そこに、まだ首位打者になる前の福浦の姿が映っていた。“あんな頃”から、主力を張り続けていたのだと思うと、あらためて感慨深い。

‥でも、私が本当にすごいと思うのは、田中氏のときもなかった、昨今は「二軍戦」にも出場しながら腐らず、地道にこの機会を窺っていたこと。それと、若い頃からほとんど変わらない体型は、徹底した自己管理の賜物だろう。ロッテ球団のみならず、もはやパ・リーグの宝。福浦和也選手、おめでとう。

 

 

サイレントK 沈黙のマウンド―野球に生きる横浜商工難聴の左腕エース

 

◇ゆうや!裕也!!

 

22日、石井裕也が現役引退を表明した......

 

特別な思い入れがある投手。個人的な意見を言わせてもらえば『ファイターズの石井裕也で終えてくれてよかった。というのも、今シーズンは故障をしていたわけでもないのに、一軍からお呼びがかからなかった。ただでさえ、どこも欲しい左腕投手‥彼には実績もある‥。シーズン途中のトレードも、ある程度覚悟していたから。

 

何から語ればいいだろう。石井には、とにかく想いが強すぎて‥‥

投げている姿に「感動」をしていたのは、石井だけ。ダルビッシュのときも、大谷翔平のときもなかった感覚‥。彼が背負う障害なんか関係ない。少なくとも野球選手としての石井には、なんのハンディもない‥。その理由を考えていたら、ある書籍が私にヒントを教えてくれた。以下は、以前書いたものの引用も交えて。

 

高校生の裕也。当時の心情や幼少の頃に抱いていた思いなどが綴られています。『ぼくは絶対にプロ野球選手になる』 ‥夢というよりも、もうこのときから固い“決意”があって、実際にそれを実現させてしまっているのだから、彼は本当に凄いと思います。同じように障害を持っている球児やプロスポーツ選手を目指している人たちにも勇気を与えてくれるでしょうね。<中略>
本の制作にも携わった鴇田修一さんの、冒頭の【石井裕也くんについて語る】。ここにとても印象的な一文があったので、紹介しておきます。

 


裕也にとっての野球は、自分を雄弁に語るための手段なのかもしれません。そんな裕也だからこそ、私たちは大きな希望と夢を抱くのです


なるほど頷きました。彼から特別な言葉は発せられなくとも、投球にそのすべての想いが込められていたのだと‥‥。だからきっと私は毎試合彼が登板をするたびに「感動」を覚えていたのです。【潤いを与えてくれる男たち】より

裕也の、投球に込められたメッセージ‥‥。これからあなたもそれを“感じて”みませんか。もっと聞いてみたくなって、彼のことをもっともっと、好きになります。

 

ペナントレースの展開にもよるだろうが、できれば最後にもう一度、一軍戦で石井のマウンドを観たい。投球を通じて、また石井の想いを感じてみたい。「サイレントK」の最後の雄姿を、この目に焼きつけたい‥‥。だから、まだ「ありがとう」も、サヨナラも言わないでおく。

 

 

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