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【「シーズン回顧」vol.1 清宮幸太郎&中島卓也】エースのやきう日誌 《11月19日版》

昨年の今ごろ、野球界の話題は「清宮一色」だった.......

 

 

体調不良等のアクシデントによって、キャンプ時からつまづいてしまった清宮幸太郎。プロ一年目の成績は打率がジャスト2割、本塁打7の、打点が18‥。我々はこれら数字をどう捉えるべきなのだろう。

清宮とてプロ1年目で3割30ホーマーをマークした清原和博ばりに、最初から打てるとはさすがに思わなかったけれど、個人的な感想とすれば率直に『もう少しやれた(いけた)』のではないかと。

球宴明けの一軍復帰後、8月の月間打率は.333(33-11)と大当たりし、一時は2割4分台にまで打率を引き上げていた。ただ、そこから急降下。9月から閉幕までわずかヒット9本(うち本塁打3)、打率にして.155である。もったいなかった。

プロ入り前に目標として掲げていた、868本塁打のNPB記録を持つ王貞治氏の1年目の成績と比較すると、ホームランの数では並んで、打率の高さでは上回った。しかし、打率にかんしては王氏のほうが30打数以上も多いので、あまり参考にはならない。

 

他の高卒選手と1年目と比べてみると、松井秀喜。打率.223、ホームラン11本。これは当然、松井に軍配。清宮よりも打席に立ち、どちらかといえば野手のほうに比重を置いていた大谷翔平が打率.238、ホームラン3本。打率は見劣りするが、ホームランの数では上回ったので互角としておこう。

 

‥と、関連資料を眺めながらあらためて驚いたのが、西武の森友哉。上記の選手より100近くも打数が少ないのに、1年目から6本塁打も記録していた。打率も.275とあって、いきなりプロで適応していたことが判る成績。森の「インパクト」は、清宮のそれを上回っていたといって良いだろう。

ただし、初年度こそは苦戦した王氏と松井、打者・大谷も、2年目からはさっそく真価を発揮していた。清宮も来季が最重要な一年となる。

 

 

週刊ベースボール 2018年 9/10 号 特集:優勝へ、強打の捕手あり!2018キャッチャー特集[保存版:歴代優勝球団捕手一覧]

 

 

一方、プロ入り前に課題とされていた守備は、意外にも「ノーエラー」でシーズンを乗り切った。不慣れな外野でも12試合に出場。内外野とも、特別巧さを感じさせるものでもなかったが、本当に“無難に”乗り切ってくれたという感じ。もう少し打ってくれれば、彼にかんしては、それで十分。

懸念材料は前回も記したとおり、一塁、左翼でポジションのかぶる中田翔のチーム残留決定によって、来シーズンの開幕時‥清宮がどこの守備に就いているのか、注目される。

 

 

人は、失ってみて初めてその人の大切さに気づくという‥‥。

 

中島卓也が欠場したとき、私はそれと似た感情を覚えた。いつもそこに居てくれた中島卓が、どれほど有難かったか。‥彼以外の選手が遊撃の守備に就いていると、とたんに不安感で苛まれる。

“派手さ”なんていらない。やはり「堅実」こそが一番なのだということを、不在時にいつも我々に再認識させてくれる男。当たり前のようにゴロを裁いて、当たり前のように送りバントを決める‥。他の野手が務めた場合、これが決して“当たり前”ではなくなる。

 

専売特許の「カット打法」は一時封印。 打撃面でもいっそう逞しさが増し、長打の総数はプロ入り最多。いままでなら十中八九バントだったケースで、あえて中島卓のバットに賭ける栗山監督‥そんなシーンも今年は何度か見かけた。塁に出れば出たで、相変わらずの高い盗塁成功率(試34-成29).......

 

マズい。ますます彼抜きの布陣が考えられなくなってゆく。他の追随を許さぬ、全体で唯一無二な“安定感”を誇る中島卓に今は依存するしかないその現状が、冷静になって考えてみると少し、怖い。

 

 

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