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【「シーズン回顧」vol.4 斎藤佑樹&有原航平】エースのやきう日誌 《12月8日版》

救いようのないシーズンだった........

 

 

4月7日のロッテ戦に先発登板した斎藤佑樹。コントロール、とりわけ「投球術」を売りにしてきていたはずなのに、ストライクが入らない。4回途中まで74球も費やして8四死球‥。これだけ見ると、まるで往時の野茂英雄のような投球だけれども、奪三振はわずか1。失点が1で済んだのは、まぎれもない、相手の拙攻に助けられたものだ。

 

約二か月後。今度は交流戦、タイガース戦。ふたたび先発のチャンスをもらうも内容はさらに悪化。4回で5与四球。それでも前回登板よりいくらかストライクは入った。が、代わりに2本の本塁打を含む被安打8の7失点。完全に試合を壊してしまう。なかでも象徴的だったのはそれまで不振をかこっていた、高山俊に特大の一発を浴びたシーン。彼の本塁打は今季、終わってみれば、その斎藤佑樹から放った1本だけである。

 

一体どうすれば抑えられるのか

 

‥‥こんなコトを議論している時点で、もう斎藤が一軍レベルに達していないのが解る。今季から投球フォームも変え、ある程度、ファームでも結果を残していた。期待も大きかっただけに、我々をずいぶんと失望させてくれたが、実、“救い”はあったのだ。

 

 

保存版 斎藤佑樹投手「ハンカチ王子」パーフェクトブック

 

 

次に彼の姿を一軍戦で見たのは、さらに4カ月を経過した10月2日の西武戦。さすがに先発の機会は与えられず、中継ぎでの登板だった。1四球こそあったが、併殺でしのぎ1回を無失点。

不思議と、中継ぎでは好投をする‥といっても、あくまで先発時と比べたらの話。ただ、この「現象」は数年前にも見受けられ、後ろでマズマズの投球を展開し、先発に戻ると、また打たれる。

‥こうなってくると、先発ではないほうが良いのかもしれない。もっとも先発にこだわりがあるような話は以前にも聴いたことがあるけれど、ここ数年、数字を残せていないのも事実なのであって。

何も先発でなければ「かっこわるい」とかはないのだ。今シーズン、巨人で日本球界に復帰した上原浩治が、試合展開にかかわらず、登板毎にスタンドから大歓声を浴びていたのが記憶に新しい。プロにはこういった「道」もある。斎藤佑にも、ぜひココを目指してもらいたい。そして、あらたな活路、やり甲斐を見出してほしい。

 

‥さきほど「救い」と言ったのは、完全な受け売りなのだが、石田雄太氏のエッセイ(※1)のなかで、彼の名前を久々に見かけた。

春先からの不振で、長期間にわたって二軍生活を余儀なくされていた、ブライアン・ロドリゲス。さすがに内向的となって部屋にこもりきりの生活を送っていたところ、通訳から相談を受けた斎藤佑がロドリゲスを食事に誘い、徐々に心を開放していったのだという。ロドリゲスの躍進が始まったのは、ちょうどその頃からだ。

まさか、このようなカタチで今季、チームに“貢献”していたとは‥。なかなか心あたたまる文章だった。味方のチカラになってくれる分にはいくらでも良いが、できれば自分自身にも勝ち星がつけられるように。

 

 

◇来季のテーマは、リラックス?

 

私には解らない‥‥。

有原航平ほどのボールを放れる投手が、なぜ、あんなにも打たれてしまうのか(投球回110回 2/3 防御率4.55)。その凄まじいボールの威力は、外国人を含んでもチーム1、2ではないか。理由は不振による措置だったけれど、彼を一時でもストッパーで起用した栗山監督の意図も、頷ける。

スタミナも十分で、ゲーム終盤になっても球威は衰え知らず。有原最大の武器、速い「カットボール」は、打者にとっても脅威のはず。‥では、大学の先輩、斎藤佑樹とはまた別種の意味で

 

一体どうすれば抑えられるのか

 

緩急の用い方だとか、もっと実戦的な方法はあるのだろうが、専門家ではない筆者に詳しいことは論じられない。‥ただ、先日たまたま観たテレビ番組の、ある選手からの“証言”に、ヒントが隠されているような気もした。

 

どうも有原は キレやすい? らしい。

特有な“熱くなる”とも違うようで、伝わってきたニュアンスだと、マウンド上で「カッカしやすい」そんな感じだった。言われてみれば、たしかに彼にはそういった節がある。思い通りのピッチングができなかったときなど、ベンチで感情をむき出しにしているシーンを、私も画面越しに幾度か見かけた。

 

‥こればかりは本人の性格の問題なのであって、たとえ『どんなときも冷静であれ』そう助言したとしても、土台ムリなのだろう。しかし、あの抜群な球威に少なからず影響が出、投球にまで狂いが生じてしまっているのだとしたら、そのメンタル面‥どうにかならないものかと、やはり歯がゆい思いもする。

 

2018年8勝。最多でも2016年の11勝‥‥。「心技体」が充実した有原は、おそらく、この程度ではとどまらないだろう。20勝、沢村賞も夢ではないポテンシャルを秘めた投手だ。

 

(※1)週刊ベースボール 2018年 12/17 号 特集:2018プロ野球記録集計号 [保存版]12球団回顧&公式戦出場全選手個人成績

  

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