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【悪夢歓迎?「オープン・ユア・アイズ」の怪】エースの映画日誌ミニ 《2019年2月26日版》

創作する側にとって、ヒトが見る「夢」とは、実に都合がいい。なんでも夢の中の出来事であったとして、締めくくってしまうこともできる。‥‥これを、私たちは俗に「夢オチ」などとも呼んでいるが、一般的にヒトの夢には続きがない。完結してしまうか、あやふやなまま終わるか、そのどちらかだ。

 

望んだ夢を、最後まで見させてくれる――

 

そうしたビジネスがあったなら、たちまち大成功を収めるだろう。開発者はきっと神にも譬えられる。なぜなら、やはりヒトは良い夢を見たいのだ。たとえ、それが夢だと解っていても、辛い現実から逃れるために‥‥せめて、夢の中では片想いの相手と結ばれたい‥‥彼らの願いや想いは夢の中で実現される。

 

もし、ヒトが見る夢を自在に“操れる”人間がこの世の中にいたとしたら.......

 

 

オープン・ユア・アイズ

 

 

1999年公開のスペイン映画【オープン・ユア・アイズ】。‥私も後で知ったのだけど、2001年にアメリカで公開された【バニラ・スカイ】という映画の元となっていた作品らしい。“オリジナル”の方はなぜか、それほど重要な役柄でもなかったペネロペ・クルスが主演のような扱いになっている。

 

刑務所内の精神病棟。セサル(エドゥアルド・ノリエガ)は精神分析医アントニオ(チェテ・レーラ)にこれまでの経緯を語る。それによるとセサルは、ハンサムな上親の遺産を相続したため、金にも女性にも事欠かなかった。ある日、自宅で自分の誕生日パーティーを開いたセサルは親友が連れてきたソフィア(ペネロペ・クルス)に一目ぼれする。それを見ていたヌーリア(ナイワ・ニムリ)は嫉妬しセサルをドライブに誘う。二人を乗せた車は暴走し崖から転落。彼女は亡くなり、彼もまた見る影もないほど顔にひどいケガを負ってしまう ※映画.comより

 

 

『OPEN YOUR EYES』女性の声で、目を覚ました主人公。車に乗って出かけるも街には誰もおらず、場面が切り替わって、もういちど目を覚ますシーンから始まる。‥これの意味するところが、けっこう観た者によって解釈の仕方が異なり、難しい。見方次第では、この冒頭部が残酷のようにも映ってしまうのだ。

 

劇中、テレビで流されていたニュースに物語のヒントは隠されていて、その通りの展開だったが、しばらく解からないことがあった。なぜ、彼は“望んで”その夢を見ていたのだろうと。無数に選択肢はあるなか、男が見ていたそれは、まさに「悪夢」以外の何物でもなく‥‥。

 

自分なりに解釈したのは“折り合い”なのだろうか。思い通りな夢の中で生きることを断つ、決意のための悪夢‥‥とでも言おうか。あえて恐ろしい夢を見たがる人間の気持ちは一向に理解できないが、そこは「当事者」にしか解からないことも、確かにあるのだろう。どうしても譲れないもの、そして悪夢を体験してまで行きたいところが、彼にはあった。

 

 

ペネロペ・クルスの美貌は、名うてプレイボーイの主人公が一瞬で目を奪われてしまったほど。彼女がまだ、20代前半の頃か。駆け出しでもなかったのだろうが、日本のテレビドラマ【悪魔のKISS】の常盤貴子よろしく身体を張っている。

同じ役で出演している【バニラ・スカイ】の方でもぜひ確認してみ‥‥と、幾分本性を現しかけた筆者の人生も、どちらかといえば、ここまで悪夢に近い。夢なら早く覚めてほしいのだが、どんなに待っても『OPEN YOUR EYES』の声はかからない。おそらくこれが哀しき現実なのだ。残念ながら。

 

《関連》

バニラ・スカイ(吹替版)

 

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