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【友だちはどこいった?俺は世界を救うロッキー!】エースの映画日誌ミニ 《2019年3月27日版》

22日放送分、TBS系【今夜解禁!ザ・因縁】。これを視ていたら、とある格闘家の過去の試合映像が映し出され、壮絶な殴り合いがまるで「ロッキー」のようだったと喩えられていた......

 

 

映画【ロッキー】は、大昔に観たっきり。あの味わいのある音楽は今でも口ずさめるが、内容はうろ覚え。かろうじてロッキー・バルボアとエイドリアン、ミッキーといった主要キャストらとともに「ドラゴ」という固有名詞が、なぜか筆者の脳内にインプットされていた。

 

気になって調べてみると「ドラゴ」は、シリーズ4作目‥‥当時のソビエト連邦共和国のボクサーで、ロッキーの敵役だった。彼の顔を眺めながら、まざまざと記憶が甦ってきた。

「ドラゴ」とは、たしか“ものすごい強敵”ではなかったか‥‥だからこそ、記憶の中に留まっていたにちがいない。いや、それとも何か別の理由があるのだろうか‥‥。

居ても立っても居られなくなった私は「ドラゴ」の真の姿を探るべく、20年ぶりくらいに同作品を視聴。なるほど、そこに描かれていたのは、トラウマ必至の衝撃だった......

 

 

ロッキー4 炎の友情 (オリジナル・サウンドトラック)

 

 

ロッキー4/炎の友情1986年公開のアメリカ映画。シルヴェスター・スタローン主演。

 

90分ほどの長くはない尺のなかで繰り広げられる展開が、実に目まぐるしかった。序盤は家庭を持ち、財を成したバルボア一家の平和な日常が映し出される。局面を一気に変えたのが、ドラゴの登場だった。ロッキーと拳を交えるために、はるばる訪米してきたという。

しかし、すでに一線から退いていたロッキーの友人、アポロ・クリードがドラゴとの対戦を熱望。エキシビジョンマッチという形で、両者の対戦が実現した――

 

 

ここである。ドラゴの名前が深く刻み込まれたのは、おそらく当該シーンのインパクトが大きかったからだ。リング上で行われた、半ば“公開殺人”。不慮の事故の類なら実際にもあるだろうが、劇中のドラゴは、アポロに対して明らかに殺意を持っている。

破壊力あるパンチの連打に、沈んだアポロ‥‥。あらためて映像を見た感じでは、即死に近い。試合前、盛大に催された余興と「惨劇」のコントラストが、あまりに強烈。

 

コントラストといえば、当作品、その対比の仕方がいちいち解りやすい。たとえば最新鋭のマシンで体を鍛えるドラゴに対し、“山籠もり”のようなことをするロッキーだったり。

そして何よりも、当時冷戦の最中にあったソ連人ボクサーと、アメリカ人ボクサーの対戦である。さながら前者が「悪」、後者はソイツを倒しにいく「正義」であるかのよう。‥まぁアメリカで作られれば、必然的にそうなる。

 

 

いささか政治の匂いがする作風も影響したのか、意外にもロッキーシリーズをはじめとする映画ファンからの評価は芳しくないのだとか。‥‥たしかに、試合後のロッキーのセリフはイチ・アスリートらしからぬものであったし(ここも自分のために闘ったドラゴとは対照的)、山の頂から『ドラゴ~~!』と大絶叫する奇行も、けっこう痛々しかった(名前を憶えていたのは、もしやこのためか 笑)

 

 

本筋とは離れるが、でも久々に観た「ロッキー」は感慨深かった。昨年公開された新作では【炎の友情】に登場していたドラゴの息子と、ロッキーも指導したアポロの息子による「因縁対決」が実現しているそうではないか。‥歴史が織り成すシリーズものならではのドラマ性が、ファンには堪らないだろう。

 

あとで知った情報によればドラゴの妻役を演じていた人が、リアルにスタローンの元妻だったとか。そんな隠れた「ドラマ」があるのも、またアメリカらしいという余談......

 

 

ドラゴ、あんま変わってないよ


スタローン&ラングレン『ロッキー4』を振り返る!

 

《参考》ロッキー4 (字幕版)

 

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