センテンス・オータム

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【騙し映画の最高峰? 「スティング」】エースの映画日誌ミニ 《2019年4月20日版》

これだから詐欺映画はやめられない.......

 

 

ただし、洋物にかぎる。日本国内で詐欺と訊くと、お年寄りをターゲットにした、卑劣かつ姑息な印象が昨今どうしても拭えないのだけれど、向こうのはスケールがちがう。

緻密な計画のもと、巨大組織に潜り込んだり、場合によっては誰かに成りすましたり。もちろん相応のリスクは伴うが、すべてが上手くいった暁には、一生遊んで暮らせるほどの巨額なカネが転がり込んでくる‥‥。

 

そんな作品を観ていると「悪者」であるはずの彼らが“かっこよく”思えてしまう‥は、いささか不謹慎発言だとして、タイプは異なるが、ルパン三世に抱くあの感情に近いといえば、少しは伝わってくれるだろうか。つまり、「矜持」を持ちあわせているのは何も正義のヒーローに限った話ではないということだ。

 

 

間抜けな犯人が登場する詐欺映画を視聴すれば、あるいは彼らに幻滅することだってあるのだろう。しかし、そうした作品には今のところ、まだ巡り合っていない。

‥当然だ。「成功パターン」の方が作品として面白いというのもあるが、そもそも間抜けに詐欺は務まらないのだ。関わっているのは、往々にして頭が切れる人物であり、ゆえに彼らの頭脳に対して、ときに羨望したりもする。なかでも出色といっていい、究極の詐欺系作品がコレだ。

 

 

スティング (字幕版)

 

【スティング】。1973年公開のアメリカ映画。ポール・ニューマンロバート・レッドフォード、W主演。

 

切れ者であるのに加え、当作品に登場してくる詐欺士はやたらにハンサムが多い。必然、女性にもモテる。卑怯だが、仕方ない(笑)。ただ、レッドフォード演じるフッカーの方は教えを乞う方で、何かと危なっかしい。そのフッカーを指南したのが、ゴンドーフ役のポール。すでに一線からは退いていたが、ある事件をきっかけに、ふたたびヤマに乗っかった。

 

とにかく壮大。目的を果たすために、別の世界をも作ってしまう。その世界の中で、詐欺師たちがそれぞれ与えられた役割を完璧にこなし、敵を欺いていく。‥‥ターゲットに警戒されだし、途中、やはり計画にほころびは出たりもするのだけど、百戦のゴンドーフが適切に対処。総動員の巧みな「連係プレー」は実に見事であった。

 

最後の、男たちのあの仕事を“やりきった感”が何とも言えない。あんなふうに「かっこよく」描かれてしまったら、彼らに憧れる人間が増えやしないか(苦笑)。‥‥まぁ大きなプロジェクトを成し得るのにチームワークが重要となるのは、カタギの世界だって一緒。娯楽作品として観るのも愉しいが、当作品から得られるものは他にもある。

 

 

けっこう昔に造られた映画でありながら、それほど古臭さを感じさせなかった。電報局に乗り込む際に、仲間がペンキ屋に扮したシーンが個人的に気に入っていて、観るたびドキドキする。

それと【スティング】でのスタイリッシュなロバート・レッドフォードが、ブラピの若い頃とまるで瓜二つ! ‥劇中彼が結婚詐欺師の役でなかったのは、女にとって救いだったか。

 

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