まるでオセロゲームのごとく、白星と黒星を交互に繰り返すファイターズ.......
もう2週間以上連勝がない。のだが、逆にいうと連敗もないわけで。この「連敗しない」ことの方が、今は大きい。借金を多く抱えたチームがそんなことをしているようではダメだけど、幸いにして、ファイターズは勝率5割近辺をキープできている。したがって、いくらでも、今すぐにでも巻き返し可能。‥‥たしかに乗れそうで乗れない、チームの現状に若干モヤモヤはするが(苦笑)
10日の埼玉西武ライオンズ戦。相手エース・多和田真三郎から決勝のホームランを放ったのは渡邉諒だった。
私から言わせると、彼は『分かっちゃいるけど やめられねぇ』男。
これはクレイジー・キャッツが唄う昭和の歌謡曲【スーダラ節】の一節だが、まさにそんな感じ。前カードのオリックス戦では送りバントを三回続けてしそこなって、スリーバント失敗‥‥。守ってはファースト後方に上がったフライを取りにいくも、寸でのところで回避。中田翔の怒りを買うようなシーンも見られた‥‥。
くだりの決勝弾も、無死一塁からのもので、バントも十分考えられたケース。首脳陣にも前回のミスが脳裏にちらついたのか、おもいきって打たせてみたら、今度はホームラン‥‥。まいど攻守でハラハラさせてくれる渡邉だけど、これがあるから
わかっちゃいるけど やめらねぇ
ここまで3本塁打。今のファイターズで決定的に不足している長打が、彼にはある。夢はでっかく、山田哲人。強打のセカンドベースマンを目指して、スラスラスイスイスイだ。
投手では、3番手で登板した石川直也。3番・源田から始まるいちばんキツイところを3者凡退で退けた。うち2三振。山川には鋭いフォーク、森に対してはアウトコースの直球で空振りを奪う。昨年よかった頃の姿に戻りつつある。誰よりも奪三振率の高い石川直が後ろに控えているのは、こと心強い。
◇ファーム短信
10日、鎌スタで行われた楽天戦。二軍の試合とは思えないほど、スタジアムが興奮の坩堝(るつぼ)と化した。逆転のサヨナラスリーランをバックスクリーンへ放り込んだのは、ルーキーの万波中正........
ライナー性の打球が一直線。‥‥高校時代、ハマスタの場外まで飛ばしたというそのパワーは、やはり伊達ではない。誰だったか、以前ある評論家が万波をこう評していた。
『0か100か』
いわく、球界を代表するようなホームランバッターになるか‥‥芽が出ないまま、未完の大器で終わってしまうか‥‥そのどちらか。それで、0か100。喩えるなら『三振王か?ホームラン王か?』の、和製ブライアントといったところか。
まぁ、それくらいスケールの大きな打者に育ってほしいという意もあったかもしれないが、10日現在、万波はイースタンでチームトップタイのホームラン数(4本)を記録している。
今朝飛び込んできた、さながら『0か100か』の投手版、北方悠誠のドジャース入り報道.....
かつてのドライチも一軍登板が叶わないままNPB球団を戦力外となってしまった。日本の独立リーグからメジャーへ‥‥。映画のような劇的ストーリーをぜひ期待したい。