木村拓哉、自身初となるソロライブ「TAKUYA KIMURA Live Tour 2020 Go with the Flow」が8日から始まった。とりわけファンの間で注目されていたのが『ライブで何を歌うのか』『スマップの曲もあるのか』。途中、楽曲提供にも携わった誰かの逮捕で水をさされる感もあったが、"意外な”選曲に会場は熱狂。駆け付けた来場者を感涙させたという.......
長年支えてきてくれた人たちのために、グループ時代の曲を盛り込むのは、まぁ言ってみれば想定内。しかし、自身がかつて出演したドラマ主題歌を奏でるのは、ファンとて望外の喜びだったのではないか。のちに訊いた話では、親交ある明石家さんま氏の助言があったようだ。
そのなかのひとつ 【TRUE LOVE】。藤井フミヤがソロになってから初めて出した楽曲で、ミリオンセラーを記録。月9ドラマ【あすなろ白書】の主題歌でもある。この曲もよかったし(S.E.N.Sのバックミュージックは尚よし)、ヒロインを背後から抱きすくめる「あすなろ抱き」も話題をさらったが、私自身は、そこまで名作とは思えなかった。
貸したシャープペンシルがキッカケで‥とか、そうした"浅はか”すぎる柴門ふみ(原作者)の作風が好きじゃないのもある(苦笑)。当時人気を博していたから、一応、最後までは見届けた。そんなテンションだから、多少記憶がおぼろけなところはあるけれども、今記事ではその【あすなろ白書】演者たちについてクローズアップしたい――
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ヒロインの園田なるみ役に、石田ひかり。当時21歳。‥この人、若いときより中年になってから美しくなった気がする(個人の好みとかではなくて)。
彼女に想いを寄せるのが取手治役の木村拓哉で、彼女から想いを寄せられるのが、掛居保役の筒井道隆。キャスティングする段階では、木村が掛居で、筒井が取手役だったと訊く。両者合意のもと、配役を交換した結果、当時スマップのキムタクは「好きな女の子から相手にされない役」となってしまった。
素のままでは、あまりにもかっこいい。むしろ「主役」より男前‥‥では困るということで、取手役の木村はおそらく強制眼鏡。"顔面カムフラージュ”するためにメガネが使用されるのは、この男しかいない。その一年前に放送された【世にも奇妙な物語】内でも、彼は眼鏡をかけさせられ、孤独な人物を演じている。
『お前、勘づいてんだろ』
ドラマ終盤、衝撃的なカミングアウトをする西島秀俊は忘れられない。予想外の展開だったが、最終的には彼のおかげで綺麗に物語が完結した。長い低迷期間を経て、今度は主役を張れるくらいに復活してきた彼は、筒井と対極の道を行った。
西島演じる松岡純一郎とイイ感じになっていたのが、東山星香役の鈴木杏樹。いま話題の。【あすなろ白書】での彼女は、ヒロインを食うほどの美貌を持ち、たしかに目立っていた。人気、知名度ともに上昇したが、今年になって例の報道を通じ、あらためて思ったのが、アンジュの「代表作」と呼べるようなものが本作品以外、なかなか出てこない‥。
単純に筆者が知らないだけかと思い、再度プロフィールを追ってみたけれど、以後、大ヒット作と巡り合えたような痕跡はなかった。その点は同年代の石田ゆり子らと比べ、彼女は不運だったといえるかもしれない。高視聴率ドラマ【相棒】でシットリとした、料亭女将の役はドハマりだったが、昨年降板してしまったのは残念。