文春6月11日号がよかった。
巻末にある「今こそ見たい5つの映画」は、その道で生計を立てる8人の精鋭が、この時世も考慮しつつ、それぞれ5本の推し映画を発表(※1)。
筆者が観たことも聴いたこともない作品ばかりで、だいぶ参考になった。また、当該映画が今、どこの動画サービスで視聴できるのかを一目で判るようになっている。この気づかいも嬉しい。武正晴氏推し、世の中年たちに希望を与えそうな野球映画・レッドフォード主演の【ナチュラル】は一度、観ておきたいと思った。
グッジョブ文春。 こういう他人様のお役に立つ記事や特集も、たまにはある。手越祐也の「直撃インタビュー」だけに目を通すのは、あまりにもったいない(笑)
話題変わって10日夜放送の【FNSドラマ 超アガる!名場面アワード】は、なかなか有意義な特番だった。これの「ヒーロー怒りの瞬間」部門に登場していた「古畑任三郎」が来年にも復活するというのは誠か。
‥訊くところによれば脚本担当の三谷幸喜も執筆に前向きであるらしく、あとは高齢になった主、田村正和氏の後任を誰に充てるかだが、ネットでは今、様々な俳優の名が自由に挙げられているそうで.......
堺雅人‥‥稲垣吾郎‥‥また別のところでは、阿部寛、オダギリジョーらも「候補」に。
いまいちピンとこない。古畑は『田村正和でしか務まらない』なんて言ってしまったら元も子もないけれど、往時のファンなら、おそらく想いは一緒ではないか。
まぁ強いて言うなら、犯人役でも出演していた鹿賀丈史。彼は劇中、新幹線車内にて乗客から古畑に間違われるほど、外見もどことなく似ていて、トレンチコートが似合う点においても適任かと。‥だが、鹿賀氏も田村正和とさして年齢は変わらず、今さら「古畑役」を担うのは、なかなか困難かと思われる。
それならばと、筆者が推すのは木村拓哉。彼はバラエティ番組などでも古畑の真似をよくしていたし、本編にも複数回出演している。いわば古畑を知り尽くしたオトコであり、ドラマ「信奉者」にも受け入れられるのではないかと。
彼くらいの大物人気俳優であれば、独自な「古畑色」を出すことに、そこまで攻め立てれることもなかろう。そもそも中途半端な役者では、超人気作のプレッシャーと威厳に押しつぶされてしまう可能性大。キムタクがNGなら、クセのある演技が持ち味の福山雅治とかでも意外にマッチしそう。一部で新・今泉慎太郎役に挙がっている大泉洋に、異論はなし(笑)
田村氏が初めて古畑役を務めた歳が50少々。今ならイケる?
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付随して、せっかくだからもう少々、フジドラマについて語ってみよう。
「胸キュン各シーン部門」は、濃密なキスシーンの嵐に、もうお腹いっぱい(失笑)。【ロングバケーション】の最終盤、木村×山口智子のそれが「アドリブ」だったとは初耳。現在の、それぞれの配偶者が当該映像を目にしたら、おもわずヤキモチを焼いてしまいそうなほど。
【やまとなでしこ】の湖でのキスシーンは、ゴルフ場の池で撮影したとか。しかも、池の水を入れ換え綺麗にしたうえで‥。まだ連ドラに莫大な予算をかけられた、当時のフジ。
‥しかしながら、そうしたドラマをリアルタイムで観ていたころは思いもよらなかったが、放送終了から十数年経過したそれらの映像を、独り身のまま「振り返る」ことになるとは、いったいどこで私の人生、ズレてしまったのだろう(苦笑)
考えてみれば【101回目のプロポーズ】の星野達郎(武田鉄矢)は、42という年齢設定。自らが「係長」から昇進できないことに、ずいぶんと引け目を感じていた。‥‥こんなサラリーマン、いや、そこにも達せないオトナが今、社会にごまんといる。それでいて、諦めずに婚活に勤しんだ星野が、なにか立派な人間にも思えてくる(笑)
伊達に『僕は死にましぇん』男 ―――
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(※1)週刊文春 2020年6月11日号[雑誌] より