メジャー云々言うのなら、ファンから惜しまれて行くくらいになれよ――
曲がりなりにもファイターズのエース・有原航平のことである。
ここまでリーグワーストの5敗を喫し、防御率は4点台‥。こんな調子で、本当にメジャー球団から来季お声がかかるのかすら疑問。メジャー行きが、もはや「既定路線」のようになっていて日本ではモチベーションが下がっているのか、とにかく、今シーズンは出来がよくない。
前週のオリックス戦。全5試合のうち、有原を除く4人の先発投手が6回1失点以上の投球で、俗にいうQS「クオリティスタート」を達成している(上沢→マルティネス→杉浦→バーヘイゲン)。7回途中6失点でチームの連勝を止め、先発の役目を果たせなかったのはおろか、チームに唯一の土をつけてしまった有原。
たしかに打線の援護に恵まれない試合も幾度かあったが、当日は味方に2点を先制してもらいながら、あっさりと逆転を許している。‥真のエースであれば、その2点を『俺が守りきる』くらいの気概はなかったのか。少なくとも先にメジャーへ渡ったダルビッシュ有や大谷翔平にはハム時代、そうした「気迫」のようなモノが試合中ヒシヒシと感じられたのだけれど。
その前のホークス戦だってそうだ。完投したといっても、たとえ援護点が少なかったとしても(1点)、そもそも主戦級の投手が、ハッキリ言って8回4失点もしているようではダメなのである。
有原に求められているのは、もっと高い次元。まして近い将来メジャー入りを「本気で」狙っているのなら尚のこと。とてもとても、ここまでの投球を観ているかぎりでは、メジャーで通用するわけがない‥‥と思えてしまう。私含めた「外野」を黙らせるくらいの、相手を圧倒する投球をしなくてはならないのが今シーズン、MLB入りを目指す有原航平のあるべき姿なのではないか。
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◇こちらもMLB志向?西川遥輝の場合
確かなことは分からない。しかし、西川の体調が万全ではないのは間違いないだろう。‥喩えは悪いが、晩年の兄貴・金本知憲、あるいはアレックス・ラミレスを見ているようだった。
二塁にランナーがいたとして、打者がセンター方向にヒットを放てば、三塁コーチャーはもう無条件で走者の生還を促すだろう。‥それくらい、現在の西川の肩の状態はよくなさそうだ。
先月末辺りからようやく打撃の調子が上向きになってきたところで、おもわぬ落とし穴。さりとてチームでも希少な高い脚力を持つ西川は、攻撃面で決して外すことのできないピースだ。
今、関係者やファンはこのジレンマをかかえている。こういった選手を打線に組み込むため、パ・リーグにはDH制度があるのだから、せめて彼の傷が癒えるまで活かしてほしいのだが、当人がそれを望んでいないのかもしれない。
打って守ってこその西川遥輝。‥分かっちゃあいるけど、近ごろの西川は何か痛々しくて直視できない。
◇「炎の体育会TV」にて
1日放送の同番組で「マスクマン」に扮した成瀬善久が登場していた。現在の成瀬は栃木ゴールデンブレーブスという独立リーグの球団で現役続行中。番組では上地雄輔に鮮やかな流し打ちを決められ、敗北を喫する。
当然「マスクマン」の正体を知っていたであろう放送席の里崎智也が『いつも詰めが甘い』元同僚(兼女房役)らしい、そんな類の発言をしていて笑ってしまった。‥あれはヤクルト移籍前年の最終戦だったか。ファンの前でマリーンズ残留を乞うていた里崎を袖にしたのだから、想いは人一倍強かっただろう(苦笑)
それにしても、成瀬ほど分かりやすくFAで失敗した選手も珍しい。マリーンズでエースを担った彼もヤクルトでは大した活躍ができないまま戦力外‥。他人事ながら、後悔していないのだろうか。
恩師・西村監督に拾われ、バファローズに在籍していた昨年。ファイターズ戦で王柏融に一発を喰らったあの試合も、やはり勝利投手の権利を手にする目前の被弾であった。