たとえ優勝の芽はなくなっても、少しでも上の順位を目指し、最後まで諦めず‥‥
そんな類なことを、私もファイターズ球団から原稿料をもらっていたら書きたいところなのだが。あいにくノーマネーなので(笑)、今記事も、好きなように綴らせていただく。ていうか.......
もう、5位でいいんじゃないか?
‥今季の順位。
これは別に投げやりになっているのではなくて。第一、4位も5位もそんな変わらないし、その順位であれば勝率5割とかも、もはやどうでもいい。小さなことだ。
で、あるならば、ついに来週行われるドラフト会議で幾分有利になる、下の順位の方が好ましい。抽選が行われた場合のクジを引く順番もそうだが、何よりも、2巡目以降の指名方法で大きな意味をなす。
筆者の記憶違いでなければ会議前日(25日)のリーグ戦順位によって、ウェーバーがかけられたはず。したがってドライチ候補でありながら、一巡目の指名で漏れてしまったような有望株を二巡目で、ファイターズは優先的に指名することができる(今年はパ球団が先なので5位なら全体で3番目)。今のファイターズにとって........
むしろ、こちらの方が大事なのではないか?
ご存知のようにFA補強をせず、積極的には大物外国人なども獲らない。ドラフトこそが最大の戦力供給源。ここで、しくじるわけにはいかない。今はドラフトに「全精力」を傾けるべきだ――
こう書くと、5位でもいいような気ぃせえへん? 半分マジなんだけど(笑)
残っていれば甲子園の星・中森俊介くん(明石商)辺りも?
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‥しかしながら、今年のドラフトは現役の選手たちにとっては酷。自身の進退が分かる前にシビアな現実を突きつけられることになるだろう。
ピッチャーを多く指名すれば、おそらくそれに相当する現役投手のクビが切られるはず。‥絶対数の少ない捕手など尚顕著であり、上位で指名しようものなら現役の捕手はクビは切られないまでも、内心傷ついているかもしれない。『チームは俺にそこまでの信用がなかったのか』と。
昨今は各球団に育成枠があって、必ずしも「指名した人数=退団選手」とはならないと思うが、幸か不幸か、シーズン中に開催される今年の異例ドラフトが、ひとつの「目安」となってしまうのも免れない事実だ。
◇もう捕手はいらない?
投手を最上位で。仮に抽選を外したとしても、ここは揺らがないだろう。それ以外の補強ポイントはどこか?
有原航平と西川遥輝が本当に流失するのか未だ分からないので、何とも言えないというのが正直なところ。しかし、これではつまらないので、強いて挙げるなら遊撃手と三塁手‥‥内野を守れる選手が欲しい。
石井一成は攻守で伸び悩み、中島卓也は如何せん打てなさすぎる(苦笑)。昨年、東北楽天に1位指名された、最近はショートを守っている小深田大翔。彼は良い選手だ。こういった素材がいるのなら、たとえ話題性がなくたって上位で行くべきだ。守りに定評がある西武・源田、ロッテ・藤岡も、中島や石井よりは打っている。守備の負担は言い訳にならない。
サードも、レアード退団後はなかなか固定できなかったポジション。平沼翔太は打撃は及第点も、守備はまだ心もとない。樋口や野村といった選手も、定着するにはもう少し時間はかかりそうだ。三塁手で優秀な人材‥‥とくれば断然、強打を誇る近大の佐藤輝明君なのだけれど、今年の1位は『投手でいく』そうフロントが断言している。縁がなくて残念だ。
補強ポイントに「捕手」を挙げるファンも多い。たしかに清水優心、宇佐見真吾の両捕手は、打率低く、盗塁阻止率も低く、マスクをかぶった試合の勝率も低い。その気持ちは解かるのだが、彼らの能力自体に、大きな差はないように見える。総合力で「A級」とまではいかないまでも「B級」の捕手をふたりも擁するファイターズの捕手事情は、わりと恵まれている方なのではないか。
たとえば千葉ロッテの正捕手・田村とサブの柿沼では、けっこうな力の差がある。埼玉西武の森と岡田、オリックスの伏見と若月も然り。‥よって田村や森がスタメンから外れた際には、なんとなく戦力が「ガタ落ち」した印象も受ける。その点、同程度のチカラを持つ、ファイターズ捕手陣は、清水が被ろうが宇佐見が被ろうが、ぶっちゃけそこまで大差はない。
‥ちまたではネガティブな要素ばかり触れられているが、この「無難」な捕手をふたりも抱えているのは、パ・リーグでは何気にファイターズだけではなかろうか。経験のちがいもあり、仮に新人が入ってきたところで立ち入る隙はなく、脅かす存在にもなれないだろう。
片方がベテランならまた話は別だけれど、両者ともまだ20代‥。彼らの成長、伸びしろに賭けた方がドラフト補強よりも得策かと。‥個人的にも、リードの部分は詳しくは分からないが、もう少し打てる捕手だとも、ふたりには感じている。