まずは何から語ろうか‥‥どれから触れるべきか迷うが、よく専門家に見られるような「点数」の類はつけないことにしよう。
清宮幸太郎を引き当てた2017年のドラフトが虚しい。結果論として、清宮を(クジを)逸したヤクルトの村上、ロッテの安田の方が、あくまで現段階では『成功だった』と見てしまうこともできるのだから。‥ドラフトにはコレがある。何が正解であるとか「会議終了後」の時点では何も分からない。
しかし、それはハムに限らず、個人的に印象深いのは2007年の大学・社会人ドラフト。当時「ビッグ3」と謳われていた東洋大の大場(6)、慶応の加藤(単独)、愛工大の長谷部(5)。当然、競合となった彼らが揃ってプロでは活躍できなかった。ぬか喜びとならぬよう、ドラフトではもう一喜一憂はしない‥‥そう、私も清宮の件があって以降、心に決めた。
したがって、今年のドラフト回顧ではありふれた感想等々を綴ってみたい。評価ではなく、感想だ。
ドラフト当日、格好の「題材」があった。テレビ中継終了後に放送される、TBS系【ドラフト緊急生特番!お母さんありがとう】である。この番組が、まさかのハムファン向け仕様に‥。偶然の産物だったのだけれど番組の編成上、ドラフト1位、2位選手の生い立ちを事細かに紹介してくれていたのだ。おかげでこちらも、2選手の人となりをだいぶ知ることができた。
1位の伊藤大海投手。北海道日本ハムの単独指名が濃厚とされていながら、DeNAや楽天が指名選手を当日まで公表していなかったのもあり『もしや、競合もあり得るのでは』と、心配しながらテレビを見守っていたが、無事に一本釣り。
伊藤投手の父親、祖父は北海道鹿部町で「タコ壺漁師」として生計を立てていたという(初耳!)。あらためて観ると、顔面EXILEのようなイケメン投手。だが、それよりも驚いたのは彼の父親の方で、彫りの深い顔立ちといい俳優の 榎木孝明クリソツな男前。なるほど、このDNAにしてこの子あり。
大きな海と書いて「ヒロミ」と読ませるのがいい。筆者のなかで男子の「ヒロミ」といえば【ビーチボーイズ】の反町だが、野球界にも槇原(元巨人)、松永(元ダイエー他)、岡(千葉ロッテ)と、名・迷選手が複数名いて馴染み深い。来シーズン以降「彼氏にしたい選手権」にも名を連ねてくるであろう、ファイターズのヒロミに要注目だ。
2位の中央大、五十幡亮汰君は快速の持ち主だ。『サニブラウンに勝った男』として、前日のスポーツニュースでも取り上げられていた。‥ポジションは外野で『はやくも西川遥輝の流失に備えたか?』などと勘ぐってしまう私。ほんと、この性格どうにかしたい(笑)
しかし、そうでないにせよ、いま各球団で流行っている?走塁のスペシャリスト のような存在が欲しかったのも事実であり、五十幡君は、十分それになり得る存在だ。
【お母さんありがとう】の再現Vでは、早くに亡くしてしまった母親との逸話が明かされた。‥‥いいなぁ、五十幡家のお母さん。自らのことを「母」と呼んでいたらしい。知る人ぞ知るドラマ【ぽっかぽか】、七瀬なつみのごとくである。
私は、「和」の顔立ちをしたアジアンビューティー、彼のお姉さんが好きだった(なんの話やねん)。ティッシュで涙を拭っていたのもツボ(笑)。来春、鎌スタのスタンドあたりで「生お姉さん」を是非お見かけしたいものだ。
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ここからは他の指名選手について。6位の今川優馬外野手(JFE東日本)は、人によっては以前から『上位指名もある』と評価されていた。昨年の都市対抗野球で若獅子賞を受賞した強打もさることながら、見かけによらず?俊足の持ち主でもあるという。
それから、申し訳ない。3位の古川裕大捕手(上武大)は存じていなかった。近年珍しい『打てる捕手』で、多方面から高い評価を受けている。それほどの捕手がまだアマチュア球界にいたとは‥‥。先日、ファイターズに捕手はいらないと書いたのを、今すぐ撤回したい(苦笑)
北海道日本ハム関連以外では、田澤純一の「指名漏れ」が話題となった。12球団で申し合わせたかのように、あたかも『NPBを蹴った』12年前の復讐をしているかのようで戦慄を覚えた。
少し気になったのは、くだりのスポーツニュースで『入団が決まったら誰と対戦したいか』そう問われたのに対して『誰がいますか?』と逆取材。長くアメリカにいたから本当にNPBの選手を知らなかった可能性もあるけれども、その、なんとなく小馬鹿にした態度‥。
おそらくギリギリまで迷った球団もあったと思われるが、指名するかしないか、最終的に「決め手」となるのは結局、そうした人間性の部分ではないのか。そんな気がした。