次週で【相棒SEASON19】が最終回――
とりわけ今シーズンは【相棒】には助けられた。約半年もの間、毎週水曜決まって送られるたび、私は「日常」を意識した。いつもと変わらない、杉下右京の姿がそこにあったからだ。一向に収束の見通しが立たぬコロナ禍の今、リアルの方がよほど「現実離れ」している。
以前までとの違いを見出すと、いちばんは捜査一課に出雲麗音(篠原ゆき子)が加わった点だろう。いきなり銃撃された、衝撃的な初回インパクト‥。彼女の加入によって、なぜか同僚である芹沢慶二の毒味がいっそう増した(今シーズンの彼はヤな奴でしかなかった笑)。男所帯な同作品に、一種の「化学反応」をもたらした女刑事・レオン......
(C)amazon
予告編のCMを観るかぎり、一部でウワサされていた冠城亘(反町隆史)と、今シーズンかぎりでの相棒、解消はなさそうだ。右京役・水谷豊に、相当気に入られているのか、区切りのSEASON20までは「反町版」で押し通すテレ朝の思惑か‥‥いずれにせよ、反町は安定収入を失わずに済みそうな気配(笑)。機会があれば、この【相棒】についてはまた触れてみたい。
◇池の水、ほんとにぜんぶ抜く?
巣籠もり期間中、に拘わらず、本は少なくとも月1冊以上読むようにしている――
本当は、そういった書籍もココで紹介できれば良いのだけれど「書評」を書くというのが、経験者なら解かると思うが案外、なかなか頭を使う作業で億劫になりがち‥。
執筆ネタに困った今こそ繰り出すべき‥‥そう無理やり読んだ本を引っ張り出してくると、小坪遊著【「池の水」抜くのは誰のため?暴走する生き物愛】(※1)。
テレビ東京で人気の、あの番組を否が応でも意識する書籍名。‥案の定、本の中でも「あの番組」は取り上げられているが、それはほんの数ページにすぎず、同著は池どころか「地球」規模まで視野が向けられていた。
『誰のため?』の答えは実際に本を読んでもらうとして(終章にズバリとある)、「あの番組」で行われている「かいぼり」の結果、正直食傷気味なブラックバス、アメリカザリガニ、鯉、カミツキガメといった毎度毎回おなじみの生物しか登場して来ない理由が、本書を通じよく解った。
「顔ぶれ」に変わりがないうえ、コロナ下と予算の問題もあってか、最近は土を掘ったり、漁業の手伝いをしたりと、番組自体がいささか迷走気味。今月は14日にも、新たな「ぜんぶ抜く」が放送されるが、はたして......
《参考》
(※1) 「池の水」抜くのは誰のため?―暴走する生き物愛―(新潮新書)