千賀航大が登録抹消との由.......
もし、本当にこのまま東京五輪が開催されるのなら、故障あがり且つ本調子ではない彼よりも、オリックスの宮城大弥推し。というか、てっきり選ばれるものとばかり‥。宮城でないなら、左殺しのスペシャリスト的な、例えば巨人の高梨雄平であるとか、初見打者が手を焼きそうなタイプも有効そうだったけれど。
その点、伊藤大海の代表入りは、良い意味で予想外だった。ここ一カ月強ほどでグッと調子を上げてきたルーキー右腕‥。まさに、駆け込みでの代表選出だ。
文字どおり伊藤ヒロミの名が「全国区」となって、迎えた9日の千葉ロッテ戦。好調な打線を7回を投げて被安打1、無失点の好投で7勝目。むしろ世間からの注目を愉しむかのような余裕さえも、マウンド上では感じられた――
‥この男、ひいき目ないしに大したものである。新人投手の6連勝は西崎幸広以来、連続イニング奪三振の記録をつくった際には木田勇と、球団史を彩ってきた「レジェンド」たちの名を、つぎつぎ甦らさせる。
6連勝の内訳を記せば、中日戦で大野雄大‥巨人戦で菅野智之‥広島東洋戦では九里亜蓮‥。ことごとく相手エースとの対決を制している。
リーグ戦が再開すれば11連勝中だったオリックスを止めてみせ、次の東北楽天戦では、チームが大の苦手としている岸孝之にも投げ勝つ。内容は非常に充実しており、新人ながら、大エースの貫禄である。
以前にも筆者は西崎の、新人時代の記録を持ち出した。もし本当に、伊藤が10連勝でもしたら、いよいよ逆転・新人王も現実味を帯びてくる。ただそれがもう夢物語ではないくらいの勢いと、安定感だ。
くだりの34年前、近鉄バファローズ・阿波野秀幸とのレースに敗れた西崎。
さて伊藤はどうか。‥新人王の資格を残す2年目の宮城、今季鳴り物入りで東北楽天に加入した早川隆久は、華々しいデビューを飾った。これを今から逆転をするのは容易でないが、今回の代表選出で多大なインパクトを世に残せたら‥‥きっと風向きは変えられる。
五輪、そして後半戦の伊藤の投球に、いっそう期待したい。
