後半戦に向けて、北海道日本ハムには様々な不安要素がある........
大勢のファンが関心を寄せているところでは、前半戦終了時点で二軍落ちしていた選手の処遇。具体的な名前を挙げるなら、中田翔と大田泰示である。
後半戦が始まるまで練習試合?云々があるとはいえ、これでいきなり中田翔が「4番一塁」の座に、リーグ戦再開と同時に居座っていたら、さすがにファンも納得はしないだろう。中田の代わりに入った高濱祐仁は、本当に十分すぎる結果を残した。
中田が150打席に立って打率.193、ホームラン4本に対し、高濱は166打席に立って打率.301、ホームラン5本。とりわけ中田がこだわる打点数においても「13」対「18」で、高濱に軍配‥。バットの方でも高濱は立派に貢献していたのである。これでもし万が一、彼がベンチウォーマーになるようなら、私は即刻監督の解任を要求したい(笑)
もうひとりの大田は、守備面での安定度は相変わらずだけれど、打撃が絶不調。その間に、淺間大基が攻守で飛躍的な成長を遂げた。彼がセンターの位置に就き、近藤健介ライト、西川遥輝レフトの新布陣で、大田の立場もいよいよ危うくなり‥。
同じ外野を守る王柏融も、随所で勝負強さを見せている。ただし、ここに挙げた外野手は皆、タイプ的にも近い左バッター。右の長距離砲という大田だけの特徴を、何とか生かしていきたいところだが。
あくまで筆者界隈での話‥‥。石井一成の人気がすこぶる低い(苦笑)。人気者の中島卓也からレギュラーを奪ったからなのか、確固たる理由は、筆者も分からないけれども。
思い当たる点とすれば、やはり打撃の不振か。前半戦終了、打率は2割スレスレの .203。レギュラーを張る選手としては、あまりにも低い。おまけに、このまま出場を続けていくと、現在20ほど不足している規定打席にも到達してしまう。‥‥してしまう?
これが何を意味するのかというと、規定打席に立ったバッターで打率1割台なら、1982年の巨人、山倉和博以来の珍事に。言わずもがな山倉は(守りの負担が大きい)捕手であり、多少率が低くとも文句は言われなかったと思うが、内野手の石井はそうはいかない。したがって、なんとか彼には打率2割台は死守してほしいのだが‥‥って、こんな話をしている時点でいささか哀しい(苦笑)
現役時代は「意外性の男」
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これほど打てない石井でも起用してもらっているのは今季、守備面での成長が著しいから。そうでなければ、とてもとても、ここまで使ってもらえない。
さらに、顔面に打球を受けながらプレイ続行したガッツ、ピンチを迎えた投手への声掛けを率先して行っていた点など、数字では表れない部分も評価されての抜擢だったように思う。
いち個人的には、もう少し盗塁の数を増やせたら‥‥。盗塁の面では、まだまだ中島に及ばず、通算でも13個。失敗の数も11個と、成功率も高くない。さっきの大田ではないが、何か石井だけの「武器」を手に持ちたい。
しかしながら観ていて、この石井という男はわりと性格が良さそうだ。他球団の選手から声をかけられているシーンも度々目にする。
先日の千葉ロッテ戦。今季初盗塁を決めた田村龍弘に『俺、速いやろ?』 かどうか、内容までは分からないが、とにかく塁上の田村に声をかけられて笑っている石井が愛らしかった。おそらく‥いや、確信を持って彼の人徳である。