「甲子園には魔物が住んでいる」とよく言われるが、ハムにとってそこは、西武ドーム(メットライフドーム)以外に他ならない。三年前、8点差をひっくり返されたかと思えば、今度は最大7点差を追いつかれ.......
非常に嫌な流れの中で迎えた次戦、ルーキー・伊藤大海がプロ初完投を完封勝利で飾り、溜飲を下げた。
今年初だったかもしれない。「ノンストレス」で試合を観られたのは(苦笑)
打線も、この日は程よく点を取り、伊藤は相手打線に三塁も踏ませぬ好投‥。ハムの新人で完封勝利をあげたのは2015年、有原航平以来だという。ともに強いストレートを持っている点で重なる部分もあるけれど、同年、新人王に輝いた有原より、内容は今季の伊藤の方がはるかに充実している。ストレートで空振りを取れる、三振を奪えるところが観ていて気持ちいい。
守っている野手もそれは同じなのか、伊藤が本格的に覚醒し始めた5月28日以降、7勝1敗の好成績を収めているが、この間の平均援護点は5.6点(降板時も含む)。貧打に泣く今季のファイターズ打線にあっては傑出した数字である。十分な援護射撃があるうちに、新人王の大本命とも言われている宮城大弥(オリックス)との勝ち星の差を、少しでも縮めておきたい。
ところで、ヒーローインタビューのあとに伊藤が取っていたポーズ(上リンク参照)は8勝目の「8」を意味していたらしい。パッと見、筆者はてっきり漫画【珍遊記】でお馴染みの「ウッキー」を真似ていたのかと‥w
確かに伊藤大海の世代ではないわな
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◇トレードにまつわるエトセトラ
この歳にもなれば、野球のルールや規則は大体知り尽くしている‥‥と思いきや、つい先日、初めて知ったことがある。それは同一リーグ間で移籍した選手の成績は「そのまま引き継がれる」のだということ。
埼玉西武からハムに移籍してきた木村文紀と佐藤龍世の成績は、西武時代からの合算であり、たとえばハムから巨人、セ・リーグへ移籍した中田の場合は一度、数字がリセットされる。それを今回のトレードで知った。
別に言い訳するわけではないが、同システム、あまり馴染みがなかった。‥参考までに平成以降、ハムの同一リーグ球団同士で選手交換を伴うトレード、且つシーズン途中に交わされたものが三例ある。
このうち、ハムに来た選手は皆、トレード年に旧所属チームで出場機会がなかった。つまり、「引き継ぐ」数字がなかったのである。したがって今シーズン、西武から移籍してきた木村と佐藤龍に、端から数字があったのが新鮮に映った次第‥。
30日現在、.打率164の木村が放った安打はすべて、西武時代に記録したもの。北海道日本ハムの選手としての「初安打」を早く見たい。