佐藤輝明の不振もあって、セ・リーグ新人王争いが混沌としてきているらしい.......
そこに意外な名があった。東京ヤクルトの奥川恭伸。‥普段、あまりセの試合を観ることがないのだけれども、奥川を推す声が多いのには驚いた。
なるほど21日現在で7勝3敗、防御率3.36‥か。奪三振率も高い。どうやら順調に育ってきているようだ。高卒でも、能力のある者は、やはり2年目までに出てくる説。
同学年の千葉ロッテ、佐々木朗希は同2勝2敗。奥川ほどのインパクトはないが、44回1/3を投げて防御率3.05 は、一軍でも通用している証。昨年、実戦で投げさせない「過保護」な扱いに、どちらかといえば否定的な意見の方が多かった。しかし、こうしてケガなく投げているところを見ると、ロッテの育成法もあながち見当違いではなかった。長身豪腕型で非常にタイプの似るダルビッシュ、大谷翔平とも関わってきた吉井理人投手コーチ様様である。
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振り返ってみれば、両投手も二十歳前後のプロ2年目に二桁勝利をマーク。以後ローテーションの柱となった。その他、菅野智之や田中将大らに代わって「球界のエース」となりつつあるオリックス・山本由伸も、同様に2年目から54試合に登板。36ホールドポイントあげる活躍を見せた。
‥この山本。プロ入り前に彼の母校、都城高の大先輩でもある田中幸雄氏が獲得を推していたという(嶋田信敏YouTubeチャンネルより)。逃した魚は大きかったが、一方の、北海道日本ハムに在籍する「高卒投手」たちの現状がどうなっているのかというと、驚きなデータが浮かび上がる。
まず、佐々木らと同じ「高卒2年目」にあたる投手は、ハムに該当者はなかった。そこで過去5年まで遡っていくと.....
2018年D1位 吉田輝星(金足農)
一軍:1試合 0勝1敗 防御率9.00
二軍:17試合 6勝6敗 防御率3.56
一軍試合出場なし
二軍:27試合 1勝2敗 防御率6.84
2017年D3位 田中瑛斗(柳ヶ浦)
一軍試合出場なし
二軍:17試合 0勝4敗 防御率8.31
2017年D5位 北浦竜次(白鷗大足利)
一軍:3試合 0勝0敗 防御率3.38
二軍:7試合 0勝0敗 防御率2.25
2016年D1位 堀瑞輝(広島新庄)
一軍:50試合 2勝1敗 防御率2.06
二軍:1試合 0勝0敗 防御率13.50(※1)
2016年D5位 高山優希(大阪桐蔭)
一軍試合出場なし
二軍:33試合 2勝0敗 防御率3.60
今季成績は全て21日時点。(※1)一軍開幕前の調整登板
ご覧のように唯一、一軍戦力となっているのはドライチ入団の堀瑞輝くらい。あとは2年目に出てくるどころか3年、4年経ってもなかなか上昇の気配が見えない。『育成のファイターズ』とやらは一体どこへやらである。
今年のドラフト会議は高校生に人気が集まる模様。再来年に新スタジアムの開場を控え、未来のスター選手を欲する北海道日本ハムも、おそらく一巡目は高校生に行くのではないか。
せいぜい将来有望な球児から「嫌われる」ような球団とならないよう‥。